【乗船記】太平洋フェリー「いしかり」名古屋~苫小牧1330kmの船旅⑥ 仙台寄港
名古屋を出港してから21時間が経ちました。もう目の前に仙台が迫っています。
これから仙台港に寄港するのですが、名古屋から苫小牧まで通して乗船する場合、船内に留まるか一時下船かを選ぶことができます。ただし、一時下船の場合は所定の手続きがあるので、早めに済ませておいてください。
そんなに難しい手続きではなく、同意書にサインして一時上陸・再乗船証を受け取るだけです。同意書の内容としては「津波警報とか出たらお前ら放ったらかして出港すっからよろしく」とか「乗船時刻に遅れたら置いていくわよ!そうなったらもう知らないわよ!」とか「車は降ろせないぜ。すまねぇ」とかそんな感じです。
この一時下船、東日本大震災以降しばらくの間は津波を警戒して下船不可とされていましたが、2015年3月に再開されました。
船内に留まる場合は、停泊中に船内清掃が行われているので、清掃の邪魔をしないようおとなしくしていましょう。
まもなく着岸です。係留するためのロープ(もやい綱)が岸に投げられるんですが、太平洋フェリーでは「もやい銃」を使って発射します。
スパァン!と大きな音がして綱が飛んでいきます。
岸壁では受け取った綱をトレーラーヘッドに引っ掛けて、これで係船柱まで引っ張っていき、係船柱に綱が引っ掛けられると船の巻取り機で長さを調節して係留完了です。
予定より10分ほど早い1630、仙台港フェリー埠頭に着岸しました。
仙台で船旅を終えてしまう人達と一緒に、我々も降ります。再乗船時刻には絶対に遅刻できないので、あまり遠くへは行けません。
歩いて20分ほどの所にイオンがあるので、そこまで行ってみましょう。ここは仙台一時下船の定番スポットらしく、私と同じく一時下船した数名が同じ道を歩いていました。
イオン多賀城店です。なんの変哲もないジャスコ…に見えますが、ここも6年前の大津波で甚大な被害を受けた地域です。
店内にもひっそりと当時の津波到達高さが記載されていたりします。
イオン駐車場からでも、この通り「いしかり」の白い勇姿がはっきり見えます。こうして見ると大きいですねこの船。
この一体に津波が押し寄せたという様子は、6年が経過したこの風景からは想像もできません…
買い物が済んだら、さっさと船に帰ります。「船に帰ります」ってちょっと斬新ですね。豪華客船の旅でもしてるような気分だ。6400円で乗ってるのに。
乗船開始は1815から。
フェリーターミナルで、仙台から乗る乗客と一緒に待ちます。
乗船待合室に設置されている、カップ麺と冷食の自販機…ってー!お前ら陸に設置されてんのかよ!船の上に設置してくれよぉ!
でも今回はこいつらは利用しませんでした。だって今日まだろくなメシ食ってないんだもん、今日の夕飯くらいレストランでディナー食わせろ。
18:15、再乗船しました。ただいま。
船の上からフェリーターミナルを見渡すと、ぞわーっとトレーラーが並んでいるのが見えました。やっぱりこの船は豪華客船ではなく豪“貨”客船なんだなぁとか思いました。
【目次】
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