あにょりもっも

気まぐれ旅行記みたいなものを目指したなにか

【乗船記】太平洋フェリー「いしかり」名古屋~苫小牧1330kmの船旅⑤ 茨城~福島沖

太平洋フェリー「いしかり」は揺れながらも順調に茨城県沖を航行しています。

身体も揺れに慣れてきて、気持ち良くなってきました。

ただ、デッキの上は風がものすごく強いです。どのくらい強いかというと、セントレアのスカイデッキ並みです。油断していると手回り品が飛んでいきますよ。

展望デッキは左右とも7デッキ船体後部~中部にかけて広々としています。

ただ、後部から前に進もうとすると凄まじい風に押されて大変なので、外部左舷の階段を降りて6デッキ左舷の扉から船内に入るのが良いです。

階段降りる時が大変だけど。

 

太平洋の沿岸は、たくさんの船が航行しています。こうした船との出会いもフェリー旅の魅力です。

1145頃、遠くに見えたのは、我々が名古屋を出た頃に苫小牧を出発した、大洗へ向かう商船三井フェリーさんふらわあ ふらの」です。この船にも一度乗ったことがあるのですが、その時も今回みたいに大荒れだったっけか…「へすていあ」という名前で東日本フェリーの時代から活躍してきたこの船も、今年の5月で新造船に置き換えられる予定です。

 

 ちょっとお腹が空いてきましたが、まだ本調子とは言えない状態です。ここでバイキングに行く気は起きません。でも軽食スタンドの営業再開は1330、売店は1430ということで、困り果てた私はとりあえず自販機でヤクルト*1を買って、予め用意していたグミをもっちゃもっちゃして凌ぎました。うぅ…

自販機コーナーには清涼飲料、ビール、アイスクリームの各種自販機があります。

船の上でもぼったくり自販機ではなく、ほぼ通常価格です。ありがたいことです。

船の上によくある、冷凍食品軽食やカップラーメンの自販機は残念ながらありません。あれ好きなんだけどなぁ。

 

13時頃、ようやく展望大浴場の営業が再開されました。揺れは小さくなった…らしいんですがまだ結構揺れてますよぉこれ。お風呂に入る際は特に足元に注意が必要です。

 

展望通路のソファーのところの壁に、こんなものが飾られていました。

「いしかり」は、2010年8月26日に進水、2011年3月8日に太平洋フェリーに引き渡されました。就航予定日を翌々日に控えた3月11日に東京で開かれていた内覧会の直後に東日本大震災が発生。就航日程は3月25日に延期、就航後もしばらくは旅客営業はせず、支援物資や自衛隊車輌・隊員を黙々と輸送し続けたそうです。

日本一のフェリーを謳ういしかりがデビュー時に大注目されていなかったのは、こういうことだったんですね。

そして、いつの間にか船は福島沖まで進んだようです。

これは東京電力広野火力発電所です。

次に見えてくるのが、東京電力福島第二原子力発電所。そして、更に進むと…

ああ、見えてきた…6年前に連日ニュースで見ていたあの発電所が…

地震津波によってメルトダウン・水素爆発を起こしたあの事故から6年が経過した福島第一原子力発電所の現在の様子です。難しい廃炉作業は着々と進み、現在の外見からは事故の凄まじさは感じられなくなっています。しかし、避難指示区域が大幅に縮小された現在でも、原発のすぐ近くの地域に住民が帰ることはできない状況が続いています。

爆発した1~4号機からちょっと離れたところにある、無事だった5・6号機。こちらも再稼働せず廃止となりました。奥の方へと続く送電線でここから首都圏へと電気が送られることは、もうありません…

 さてさて、時刻はまもなく14時です。

なにやら、軽食スタンド「ヨットクラブ」が慌ただしくなっています。何かを待つ列も出来ています。

このフェリーの恒例イベント、焼きたてパンの販売です。

うどんやカレーライス、コーヒーや紅茶、ビールなどを出しているカウンターが、この時だけ即席のパン屋さんになります。

フレンチトーストやシュークリームなども並んでいましたが、私は焼きたてパンの王道メロンパンを購入。

外はサクサク、中はふんわり。良いメロンパンです。

更にイベントは続きます。まもなく我々とは逆方向、苫小牧から名古屋に向けて旅している「いしかり」の姉船「きそ」とすれ違うのです。

大型フェリー同士が至近距離でお互いに汽笛を鳴らし合い反航するこれはこの航路で一番の見逃せないイベントと言えましょう。

なお、仙台〜苫小牧の中間地点でも「きたかみ」とすれ違うのですが、こちらは真夜中のため汽笛を鳴らさず、船内放送もありません。

 

前方から、我々の乗る「いしかり」と同じような形の船がこちらに向かってくるのが見えました。展望デッキは普通は左右と後方しか見えないんですが、今日は船が揺れているおかげで船首が下がった時に前まで見えます。どんだけ揺れてんだ。風も強く、油断すると振り落とされそうな感覚です。

時刻は1440。優美な船体をゆっくり上に向けたり下に向けたりしながら、いしかりとすれ違う「きそ」。「きそ」が就航したのは2005年で、今乗っている「いしかり」の基本設計は「きそ」を踏襲しているため、船型は似ています。でも「いしかり」は各種改良が実施されているので全く同型というわけではないです。外観上の目立つ違いは、ファンネル(煙突)の後ろ側の塗装。いしかりは青一色ですが、きそは白色に青い帯の塗装が後ろ側まで回っています。

ね?色違うっしょ?

ここでちょっと展望デッキを観察してみます。

「旅客脱出集合場所」とか書いてありますね。火災などで脱出しなければならなくなった場合ここから脱出シューターに乗り込むようです。そんな経験したくはないなぁ…

通常、展望デッキ出入口の扉はちょっとした段差が設けられているんですが、7デッキの一部の出入口はこのようにスロープになっています。バリアフリー対応の部屋を用意するだけでなく、船内にエレベーターを4基も備えるなど、新しい船だけあってバリアフリー対応は入念です。

 

お風呂に入ったりのんびりしているうちに、もう仙台が迫ってきました。次回は仙台で一時下船します。

*1:一度に2本出てくるやつです