あにょりもっも

気まぐれ旅行記みたいなものを目指したなにか

【乗船記】太平洋フェリー「いしかり」名古屋~苫小牧1330kmの船旅⑪ 海上の優雅なティータイム

この船旅の最後の食事も、結局レストラン「サントリーニ」ではなく、軽食スタンド「ヨットクラブ」です。ヨットクラブだいすき。

ところで、このヨットクラブ、「本日のコーヒー」「本日の紅茶」とか言ってコーヒーと紅茶を日替わりにしています。3日間乗っても飽きないようにしているわけですね。

これが一日目(3月15日)

これが二日目(3月16日)

そして三日目3月17日がこれ。

ダージリン」「オレンジペコ」「アッサム」ってこれどっかで見たことあるような組み合わせですわね……ちなみに、この太平洋フェリーは大洗には行かないですわよ。大洗に行くのは商船三井フェリーですわ。間違えないように注意するんですのよ!

アッサムティーを頂きました。

ホットケーキとセットで570円です。

ホットケーキもふかふかで美味しゅうございましたですわー

 

雲が取れて、すっきりと晴れましたー。しかし船旅はもうすぐ終わってしまいます。苫小牧が迫ってきました。

 

【目次】

①乗船~出港

②夕食(一回目)

③寝台

④船体動揺

⑤茨城~福島沖

⑥仙台寄港

⑦夕食(二回目)

⑧仙台出港

⑨第二夜

⑩青森沖

⑪朝食 ←イマココ

⑫苫小牧到着

【乗船記】太平洋フェリー「いしかり」名古屋~苫小牧1330kmの船旅⑩ 青森県沖の朝

おはようございます。船は青森県沖まで進みました。

日の出時刻を案内してくれています。日の出を拝みたい方は参考にしてください。

東の空が明るくなってきました。が、東の空には雲が…

雲に阻まれつつも、朝日の幻想的な赤い輝きは伝わってきます…思ってたのとちょっと違うけど…

 

東の空の本物の太陽は綺麗に撮れませんでしたが、この直後に西側に綺麗な太陽が出現します。

苫小牧港を深夜に出発した、大洗へ向かう商船三井フェリーさんふらわあ だいせつ」です。こちらの船、以前苫小牧沖で車両甲板火災があり、あの時はあのまま引退してしまうのでは…なんて思ったのですが、この通りすっかり修復されて復帰しています。苫小牧~大洗航路に就く前は九越フェリーの「ニューれいんぼうらぶ」として、室蘭~直江津~博多という長大航路に就いていた船です。

(火災事故の後、痛々しい姿で室蘭港に帰ってきた「だいせつ」。この後、函館どつくにて修理された)

 

朝のひんやりした風を浴び、曇り空の下を航行する「いしかり」。

ずっと外に居ると冷えてしまうので、朝風呂を浴びた後は展望通路で海を眺めながらくつろぎます。

海を見ながらくつろいでいると、遠くにちょっと変わった形の船影を発見。慌てて外に出ます。

あ!?あれイージス艦じゃね!?!?

遠くてはっきりとは見えませんでしたが、おそらく海上自衛隊こんごう型イージス艦DDG-174護衛艦「きりしま」でしょう。舞鶴から横須賀へ帰る途中だったようです。

 

津軽海峡の出入口に差し掛かりました。津軽海峡は大型の貨物船が行き交う国際海峡です。新日本海フェリー敦賀→苫小牧に乗ると、大型の貨物船を次々と追い越していく楽しい体験が出来たりしますよ。津軽海峡フェリー青函フェリー津軽海峡を渡るのも良いですよね。

昨日よりも天気が悪いように見えますが、波は昨日よりずっと穏やかです。全く揺れを感じないですが、窓と水平線を見比べているとそれなりにピッチングしてます。どうやら船に揺られすぎて感覚がおかしくなってきたようです。

 

【目次】

①乗船~出港

②夕食(一回目)

③寝台

④船体動揺

⑤茨城~福島沖

⑥仙台寄港

⑦夕食(二回目)

⑧仙台出港

⑨第二夜

⑩青森沖 ←イマココ

⑪朝食

⑫苫小牧到着

【乗船記】太平洋フェリー「いしかり」名古屋~苫小牧1330kmの船旅⑨ 第二夜

船は仙台を出て、再び北へ向かって進み始めました。まだ小さく揺れてはいますが、さっまでの大揺れと比較するとずいぶんと穏やかになり、今夜は快適に過ごせそうです。

 

太平洋フェリーは、長い長い乗船時間、乗客を飽きさせないよう、船内で様々なイベントが開催されます。中でも、えっ?カーフェリーでこれやるの!?って感じなのが、これではないでしょうか。

船体後方のラウンジで毎晩開催されるラウンジショー。昨夜は見に行かなかったですが今夜はちょっと覗いてみました。

フェリーの中とは思えないですね、これ。ほんとに豪華客船に乗ってる気分。しかも入場は無料ですからね。出入りは自由なので興味が無い人もちょっと覗くだけ覗いてみるのも良いですよ。

なお、船体の一番後ろなので、前ほどではないにしろ結構な揺れが来ます。でもピアニストは全く動じません。慣れてるんだろうなぁ。

これは使っていない時間帯のラウンジ「ミコノス」の様子。中央にはスクリーンがあり、ここで映画を上映したりしています。結局一度も映画見なかったけど。

このフェリー、実はピアノを2台も設置しています。1台はラウンジ「ミコノス」、そしてもうひとつは、軽食スタンド「ヨットクラブ」の目の前です。

こちらでは、仙台・苫小牧入港の1時間前くらいに、ミニコンサートが開かれていました。ピアニストはラウンジショーと同じ方でした。

 

 

…だんだんと、こんな豪華な船にすごい格安なお値段で乗ってるのが申し訳なくなってきました。ちょっとお布施がてら乗船記念品を買うことにしました。太平洋フェリーの売店には、お土産品や日用品の他に、太平洋フェリーオリジナルグッズが置いてあります。私は太平洋フェリーテーマソング「海上のシネマ」のCDを購入しました。

船内では出港前・入港前にインスト版が流されています。この曲は以前はよくテレビCMでも流れていたので、私にとってはかなり馴染み深い曲です。「二人を結ぶジャンボフェリー」と同じくらい頭に響く曲です。

 

…昨夜~今朝にかけてぐっすり、いやぐったり寝たせいで、あんまり眠くなりません。何度か目を覚まして船内を徘徊していました。

船内設備の写真は実はこの時に撮ったものが多かったりします。

深夜に静まり返った共有スペースで過ごしている人は何人か居ました。こういう過ごし方も良いなぁとかなってきますけど、何度も言いますが寝不足は一番の船酔い誘発方法です。夜更かしはほどほどにしましょうね。洋上で朝日を見たいし。

【目次】

①乗船~出港

②夕食(一回目)

③寝台

④船体動揺

⑤茨城~福島沖

⑥仙台寄港

⑦夕食(二回目)

⑧仙台出港

⑨第二夜 ←イマココ

⑩青森沖

⑪朝食

⑫苫小牧到着

【乗船記】太平洋フェリー「いしかり」名古屋~苫小牧1330kmの船旅⑧ 仙台出港

まもなく1940になります。苫小牧に向けて、仙台を出港します。

このフェリーには、船首と船尾に横向きのトンネルがあって、その中に横向きのプロペラが付いています。この機構はサイドスラスターと呼ばれていて、これによって自力での横移動やその場での回転など、通常のスクリューと舵だけでは不可能な動きを可能にしています。しかし、仙台港という港は、200m級の船にとっては狭く、自力での方向転換は流石に危険です。では、陸側に頭を向けて停まっているこの船は、どうやって出港するのでしょう。

出港前に、フェリーにタグボートが繋がれました。タグボートというのは、大型船の離岸・着岸を補助するための船で、小柄な船体に大馬力機関を備えていて、自分よりかなり大きな船を軽々と押したり曳いたりできます。青函連絡船では「補助汽船」と呼ばれていたそうです。

(これは別の日に苫小牧港で撮影したタグボートと、護衛艦の離岸作業の様子)

最近のフェリーや客船は大抵サイドスラスターを備えており、タグボートで押されたり曳かれたりしているのは基本的に我々が乗れない貨物船や軍艦などです。しかし、仙台港のような狭い港ではフェリーでも離岸時にタグボートに曳かれる体験が可能なのです。あとはまぁ沖で機関が故障して漂流した時なんかもタグボートに曳航されるんでしょうけど、そんな体験はしたくないですね。

1940、岸壁をゆっくり離れた船内に軽快な音楽が流れ、その音楽に合わせるようにタグボートがぐいぐいとフェリーを引っ張りはじめます。全長約200mの「いしかり」がゆっくりと方向を変えます。

150度くらい回ったところでロープが切り離されます。フェリーはそのまま惰性で180度まで回り、船首が港の出口のほうを向きました。

タグボートさんありがとうございました~。

約3時間滞在した仙台港に別れを告げ、フェリーは苫小牧へ向けて暗闇の太平洋に出ていきます。

流石に寒くて暗い中でこの出港作業を見物している乗客は私だけでした。この航路に乗る機会があったら皆さん是非仙台出港作業ちょっと見てみてください。面白いので。でもこれ見物するなら昼間出港の名古屋行きのほうがいいかもね。

【目次】

①乗船~出港

②夕食(一回目)

③寝台

④船体動揺

⑤茨城~福島沖

⑥仙台寄港

⑦夕食(二回目)

⑧仙台出港 ←イマココ

⑨第二夜

⑩青森沖

⑪朝食

⑫苫小牧到着

【乗船記】太平洋フェリー「いしかり」名古屋~苫小牧1330kmの船旅⑦ 二回目の夕食

昨日からずっと入れていなかった船内レストラン「サントリーニ」。しかし、この船に乗ってこのレストランを一度も利用しないというのはちょっとやっぱり良くない。そして今日は朝から乳酸菌飲料とお菓子とお茶と水とさっきのメロンパンしか口にしていなくてめちゃくちゃ腹が減っている。

レストラン「サントリーニ」の出番がやっと来ました。

出港70分前の1830にディナーの営業を開始。入り口で2000円払って中に入ると、美味しそうな料理が並んでいます。

このレストランはバイキングスタイル。好きな料理を好きなだけ楽しめます。

この日のメニューは、豆乳炊き餃子、きのこあんかけハンバーグ、ぶりの唐揚げなど。小さなシュークリームやガトーショコラ、アイスクリームもありました。中でも一番はやはりステーキ。牛脂注入肉のステーキ。あれがとてもおいしい。ちらし寿司なんかもありましたね。

レストラン内はこんな感じで広々としています。多客時にはここも大混雑するんだろうなぁ。

この割り箸の袋のデザインすき

 

優雅に海…ではなく次々と船に積み込まれていくトレーラーを眺めながら食事していると、船内放送でなにか金属を打ち鳴らすような音が流されます。銅鑼の音です。出港30分前と15分前に鳴ります。その後に船内放送で「只今の銅鑼は…」とか説明するまでがセットです。

 

食事を終えたら出港見物です。仙台の出港は絶対見物すべきです。見物してる人ほかに居なかったけど!!

【目次】

①乗船~出港

②夕食(一回目)

③寝台

④船体動揺

⑤茨城~福島沖

⑥仙台寄港

⑦夕食(二回目) ←イマココ

⑧仙台出港

⑨第二夜

⑩青森沖

⑪朝食

⑫苫小牧到着

【乗船記】太平洋フェリー「いしかり」名古屋~苫小牧1330kmの船旅⑥ 仙台寄港

名古屋を出港してから21時間が経ちました。もう目の前に仙台が迫っています。

 これから仙台港に寄港するのですが、名古屋から苫小牧まで通して乗船する場合、船内に留まるか一時下船かを選ぶことができます。ただし、一時下船の場合は所定の手続きがあるので、早めに済ませておいてください。

そんなに難しい手続きではなく、同意書にサインして一時上陸・再乗船証を受け取るだけです。同意書の内容としては津波警報とか出たらお前ら放ったらかして出港すっからよろしく」とか「乗船時刻に遅れたら置いていくわよ!そうなったらもう知らないわよ!」とか「車は降ろせないぜ。すまねぇ」とかそんな感じです。

この一時下船、東日本大震災以降しばらくの間は津波を警戒して下船不可とされていましたが、2015年3月に再開されました。

 

船内に留まる場合は、停泊中に船内清掃が行われているので、清掃の邪魔をしないようおとなしくしていましょう。

まもなく着岸です。係留するためのロープ(もやい綱)が岸に投げられるんですが、太平洋フェリーでは「もやい銃」を使って発射します。

スパァン!と大きな音がして綱が飛んでいきます。

岸壁では受け取った綱をトレーラーヘッドに引っ掛けて、これで係船柱まで引っ張っていき、係船柱に綱が引っ掛けられると船の巻取り機で長さを調節して係留完了です。

予定より10分ほど早い1630、仙台港フェリー埠頭に着岸しました。

 

仙台で船旅を終えてしまう人達と一緒に、我々も降ります。再乗船時刻には絶対に遅刻できないので、あまり遠くへは行けません。

歩いて20分ほどの所にイオンがあるので、そこまで行ってみましょう。ここは仙台一時下船の定番スポットらしく、私と同じく一時下船した数名が同じ道を歩いていました。

イオン多賀城店です。なんの変哲もないジャスコ…に見えますが、ここも6年前の大津波で甚大な被害を受けた地域です。

店内にもひっそりと当時の津波到達高さが記載されていたりします。

イオン駐車場からでも、この通り「いしかり」の白い勇姿がはっきり見えます。こうして見ると大きいですねこの船。

この一体に津波が押し寄せたという様子は、6年が経過したこの風景からは想像もできません…

仙台臨海鉄道の高架橋にも、津波到達高さが記載されています…

買い物が済んだら、さっさと船に帰ります。「船に帰ります」ってちょっと斬新ですね。豪華客船の旅でもしてるような気分だ。6400円で乗ってるのに。

乗船開始は1815から。

フェリーターミナルで、仙台から乗る乗客と一緒に待ちます。

乗船待合室に設置されている、カップ麺と冷食の自販機…ってー!お前ら陸に設置されてんのかよ!船の上に設置してくれよぉ!

でも今回はこいつらは利用しませんでした。だって今日まだろくなメシ食ってないんだもん、今日の夕飯くらいレストランでディナー食わせろ。

18:15、再乗船しました。ただいま。

船の上からフェリーターミナルを見渡すと、ぞわーっとトレーラーが並んでいるのが見えました。やっぱりこの船は豪華客船ではなく豪“貨”客船なんだなぁとか思いました。

【目次】

①乗船~出港

②夕食(一回目)

③寝台

④船体動揺

⑤茨城~福島沖

⑥仙台寄港 ←イマココ

⑦夕食(二回目)

⑧仙台出港

⑨第二夜

⑩青森沖

⑪朝食

⑫苫小牧到着

【乗船記】太平洋フェリー「いしかり」名古屋~苫小牧1330kmの船旅⑤ 茨城~福島沖

太平洋フェリー「いしかり」は揺れながらも順調に茨城県沖を航行しています。

身体も揺れに慣れてきて、気持ち良くなってきました。

ただ、デッキの上は風がものすごく強いです。どのくらい強いかというと、セントレアのスカイデッキ並みです。油断していると手回り品が飛んでいきますよ。

展望デッキは左右とも7デッキ船体後部~中部にかけて広々としています。

ただ、後部から前に進もうとすると凄まじい風に押されて大変なので、外部左舷の階段を降りて6デッキ左舷の扉から船内に入るのが良いです。

階段降りる時が大変だけど。

 

太平洋の沿岸は、たくさんの船が航行しています。こうした船との出会いもフェリー旅の魅力です。

1145頃、遠くに見えたのは、我々が名古屋を出た頃に苫小牧を出発した、大洗へ向かう商船三井フェリーさんふらわあ ふらの」です。この船にも一度乗ったことがあるのですが、その時も今回みたいに大荒れだったっけか…「へすていあ」という名前で東日本フェリーの時代から活躍してきたこの船も、今年の5月で新造船に置き換えられる予定です。

 

 ちょっとお腹が空いてきましたが、まだ本調子とは言えない状態です。ここでバイキングに行く気は起きません。でも軽食スタンドの営業再開は1330、売店は1430ということで、困り果てた私はとりあえず自販機でヤクルト*1を買って、予め用意していたグミをもっちゃもっちゃして凌ぎました。うぅ…

自販機コーナーには清涼飲料、ビール、アイスクリームの各種自販機があります。

船の上でもぼったくり自販機ではなく、ほぼ通常価格です。ありがたいことです。

船の上によくある、冷凍食品軽食やカップラーメンの自販機は残念ながらありません。あれ好きなんだけどなぁ。

 

13時頃、ようやく展望大浴場の営業が再開されました。揺れは小さくなった…らしいんですがまだ結構揺れてますよぉこれ。お風呂に入る際は特に足元に注意が必要です。

 

展望通路のソファーのところの壁に、こんなものが飾られていました。

「いしかり」は、2010年8月26日に進水、2011年3月8日に太平洋フェリーに引き渡されました。就航予定日を翌々日に控えた3月11日に東京で開かれていた内覧会の直後に東日本大震災が発生。就航日程は3月25日に延期、就航後もしばらくは旅客営業はせず、支援物資や自衛隊車輌・隊員を黙々と輸送し続けたそうです。

日本一のフェリーを謳ういしかりがデビュー時に大注目されていなかったのは、こういうことだったんですね。

そして、いつの間にか船は福島沖まで進んだようです。

これは東京電力広野火力発電所です。

次に見えてくるのが、東京電力福島第二原子力発電所。そして、更に進むと…

ああ、見えてきた…6年前に連日ニュースで見ていたあの発電所が…

地震津波によってメルトダウン・水素爆発を起こしたあの事故から6年が経過した福島第一原子力発電所の現在の様子です。難しい廃炉作業は着々と進み、現在の外見からは事故の凄まじさは感じられなくなっています。しかし、避難指示区域が大幅に縮小された現在でも、原発のすぐ近くの地域に住民が帰ることはできない状況が続いています。

爆発した1~4号機からちょっと離れたところにある、無事だった5・6号機。こちらも再稼働せず廃止となりました。奥の方へと続く送電線でここから首都圏へと電気が送られることは、もうありません…

 さてさて、時刻はまもなく14時です。

なにやら、軽食スタンド「ヨットクラブ」が慌ただしくなっています。何かを待つ列も出来ています。

このフェリーの恒例イベント、焼きたてパンの販売です。

うどんやカレーライス、コーヒーや紅茶、ビールなどを出しているカウンターが、この時だけ即席のパン屋さんになります。

フレンチトーストやシュークリームなども並んでいましたが、私は焼きたてパンの王道メロンパンを購入。

外はサクサク、中はふんわり。良いメロンパンです。

更にイベントは続きます。まもなく我々とは逆方向、苫小牧から名古屋に向けて旅している「いしかり」の姉船「きそ」とすれ違うのです。

大型フェリー同士が至近距離でお互いに汽笛を鳴らし合い反航するこれはこの航路で一番の見逃せないイベントと言えましょう。

なお、仙台〜苫小牧の中間地点でも「きたかみ」とすれ違うのですが、こちらは真夜中のため汽笛を鳴らさず、船内放送もありません。

 

前方から、我々の乗る「いしかり」と同じような形の船がこちらに向かってくるのが見えました。展望デッキは普通は左右と後方しか見えないんですが、今日は船が揺れているおかげで船首が下がった時に前まで見えます。どんだけ揺れてんだ。風も強く、油断すると振り落とされそうな感覚です。

時刻は1440。優美な船体をゆっくり上に向けたり下に向けたりしながら、いしかりとすれ違う「きそ」。「きそ」が就航したのは2005年で、今乗っている「いしかり」の基本設計は「きそ」を踏襲しているため、船型は似ています。でも「いしかり」は各種改良が実施されているので全く同型というわけではないです。外観上の目立つ違いは、ファンネル(煙突)の後ろ側の塗装。いしかりは青一色ですが、きそは白色に青い帯の塗装が後ろ側まで回っています。

ね?色違うっしょ?

ここでちょっと展望デッキを観察してみます。

「旅客脱出集合場所」とか書いてありますね。火災などで脱出しなければならなくなった場合ここから脱出シューターに乗り込むようです。そんな経験したくはないなぁ…

通常、展望デッキ出入口の扉はちょっとした段差が設けられているんですが、7デッキの一部の出入口はこのようにスロープになっています。バリアフリー対応の部屋を用意するだけでなく、船内にエレベーターを4基も備えるなど、新しい船だけあってバリアフリー対応は入念です。

 

お風呂に入ったりのんびりしているうちに、もう仙台が迫ってきました。次回は仙台で一時下船します。

【目次】

①乗船~出港

②夕食(一回目)

③寝台

④船体動揺

⑤茨城~福島沖 ←イマココ

⑥仙台寄港

⑦夕食(二回目)

⑧仙台出港

⑨第二夜

⑩青森沖

⑪朝食

⑫苫小牧到着

*1:一度に2本出てくるやつです