【乗船記】新日本海フェリー「すずらん」敦賀〜苫小牧東20時間の船旅
※引き続き2020年3月の旅の様子をお送りしています
本州〜北海道の移動は、道路は存在しないので、新幹線に乗るか、飛行機に乗るか、船に乗るしかありません(いつもの)*1今回は往路からして飛行機+寝台特急と欲張りましたが、復路はフェリー+フェリーです。こんな旅程にするからろくに観光できないんだよなぁ*2。
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ウェブ検索結四季島という庶民には手が出ない乗り物もある))。と来たらもう船に乗るしかねえなあ!!!!!!今回は往路は飛行機+寝台列車でしたが、復路はフェリーからのフェリーをキメました。もはや乗り物に乗るためだけに旅をしているって感じですね。実際そうなんですけど。
さて、今回乗船する新日本海フェリーなんですが、敦賀〜苫小牧東の他に、舞鶴〜小樽でも高速フェリーを使った直行便を運航している他、新潟〜小樽、新潟〜秋田〜苫小牧東(うち一部は敦賀〜新潟〜秋田〜苫小牧東)と多数の日本海航路を持っています。
敦賀〜苫小牧東の運航ダイヤは、深夜出発夜到着というトラック需要を反映したものになっています。が、商船三井フェリーの深夜便とは違って接客設備は簡素なものではなく、太平洋フェリー…には少し及ばないかもしれませんが決して見劣りする設備ではなくしっかり快適です。
まぁ、実際に快適に過ごせるかどうかは 波 次 第 というのが外洋、特に日本海航路の悩みではあるわけですが…
フェリーターミナル行きの路線バスは敦賀駅前を2200に出発します。
2213にはフェリーターミナルに到着。しかしまだ出港まで2時間以上、乗船開始までも1時間以上あります。ちょっとバスの時刻もうちょっと遅くしても良い気がするんですけどまあ事情があるんでしょうね。
サクっと乗船手続きを済ませ、今回乗る「すずらん」とご対面。
めちゃくちゃピッカピカなんですけど、実は改装とメンテナンスを受けて数日前にドックから出てきたばっかりっていうタイミングだったんですよ。そしてその時に船体ロゴが「Shin Nihonkai」から「Cruising Resort」に変わっています。
トレーラーが次々と車両甲板へと吸い込まれていく。こういう作業見てて楽しいんだけど流石に3月の夜は寒い。
ターミナル内のWi-Fiを使って旅の写真を振り返りつつTwitterに上げまくっているうちに2330になったのでそそくさと乗船します。
今回のお部屋はツーリストAです。このフェリーの中では最低グレードに位置するツーリストAですが、まぁごく普通の開放寝台です。そうなんですよ、この船には雑魚寝が無いんですよ。
近年のフェリーではお馴染みとなっている互い違い2段ベッド。船が揺れまくってもハシゴを昇り降りしなくて良いので安心です。
で、私が取ったのは、窓際のここ。ここ向かいが居ないので完全個人スペースって感じで最高なんですよ。ちなみに閑散期のお値段は10700円
わかりづらいですけど、蛍光灯のスイッチの横にコンセントが付いています。
電源に悩まないのは素晴らしいですね。なお電波
とりあえず出港前にひとっ風呂浴びて、風呂上がりに17アイスを食べていたら、0030前に既に船がゆっくりと動き出していました。
穏やかだった瀬戸内海とは違い、深い闇と力のある波が日本海を感じさせます。
では船内散策タイム
ま、だいたいこんな感じです(適当) 通信環境を除けば本当に快適。通信環境を除けば…や、一応Wi-Fiついてるんだよ?陸から電波拾えるところではWi-Fiバリバリ使えるんだよ?でもこの航路途中で陸見えなくなっちゃうんだよなぁ…
さて、朝になりました。日の出の時刻はとっくに過ぎてます。もう陸が見えない海域です。ここまで来るとWi-Fiは利用できません。
とっても良い天気だね!!!!!!!!!!!!11111111111
0800から朝食の提供が始まります。レストランはカフェテリア形式となっています。
なんだか北斗星の食堂車で食べた朝食を思い出します。これは当時の北斗星の半額以下で食べれますけどね。
朝飯食ってる間に晴れましたね。波も穏やかだし良い船旅です。
この船はこの大きさで27ノット出せる高速船なので、外に出られるのは後部のここだけです。
0945頃に船内放送で船長が挨拶。本船は新潟県の沖合を航行中。波の高さは2mで航行に支障なしとのこと。
そして1010頃。だいたい航路の真ん中まで来たところで皆さんお待ちかね敦賀行きの「はまなす」との反航のお時間です。
太平洋フェリーと同じく、船内放送での予告あり・汽笛ありです。
汽笛はまずすずらんが鳴らし、それに応えてはまなすが鳴らしていました。
ところで、しれっと反航していった「はまなす」、実はすずらんとは同型ではありません。普段航行している航路も敦賀〜苫小牧東ではなく舞鶴〜小樽の船です。
すずらんの僚船「すいせん」は、すずらんと入れ替わるようにドックに入っていたので「はまなす」が代打として来ていたのです。
さてお昼になりました。男鹿半島の電波を一瞬拾ったのですがすぐに途切れてしまいます。やはりもうちょっと陸に近づかないと通信はキツい…
お昼はかき揚げ蕎麦にしました。ある程度なら船が揺れていてもこぼれないであろう器にも日本海の趣がある。
ちなみにレストランはこんな感じで海を眺めながら優雅に食事を味わえます。
時刻は1400頃。白神山地が見えます!電波!電波が復活したぞ!!!
津軽海峡を航行する大型貨物船の姿も見えてきます。
ご覧あれが竜飛岬北のはずれと 見知らぬ人が指をさす
だいたいこの辺に青函トンネルがあります。
この海の下に新幹線が走っているというのはこの景色からではちょっと想像つかない。
青森から函館へ向かう津軽海峡フェリー「ブルードルフィン」と交錯。青函航路に乗って国鉄の連絡船に思いを馳せてみるのも楽しいですよ。
海から見た函館の様子。大きな存在感のある函館山ですがこいつの標高は334m*3。東京タワーほどの高さしかありません。
潮風に当たりすぎて冷えた身体とベタベタになった髪を風呂で流してさっぱりしてきたら、もう夕暮れ時を迎えていました。
恵山沖を通過。ここからは太平洋に出ます。
1800になったので夕食です。この船で食す最後のメニューはビーフシチュー。ところで、私としては珍しく3食しっかり食べていますが、なんでなのかこの船乗っててとてもお腹が空くんですよね…展望デッキへの出入りがレストラン横だからいい匂いをモロに受けたせいなのか…
暗くなっていく…この旅も終わりが近づいてきました。
苫小牧西港から出港した大洗行き商船三井フェリーと仙台行き太平洋フェリーの姿を確認!!!!しっかし夜の海は暗いですわー
苫小牧東港に入港します。煙を上げているのはあの苫東厚真火力発電所。北海道の電力供給の要となっている発電所です*4。
ここが苫小牧東港周文埠頭です。太平洋・商船三井・シルバーフェリーは苫小牧西港フェリーターミナル発着ですが、新日本海フェリーだけ東港発着となっていて、新日本海フェリー専用ターミナルがあります。
ということで、定刻2030に着岸!無事に北海道へと帰ってきました。
ここからはバスに乗って南千歳駅まで行くことができます。以前は苫小牧駅へ行っていたんですが利便性の問題なのか南千歳になっています。運賃は1020円です。
40分くらい乗るんですけど、なんせ20時間も船に揺られた後なので40分なんてあっという間です。路線バスタイプなのにそんなに苦痛を感じませんでした。
すっかり春気分になっていましたが、北海道の冬はまだ終わっていませんでした。駅のホームにはうっすらと雪が…
はい、というわけでこれで2020春周遊記は完結です。今から振り返るとよくもまあこんなことしたなあという感想しか出てこないんですけど、楽しかったのでヨシ!
さてコロナ禍が明けたらどこ行こうかなぁ…