あにょりもっも

気まぐれ旅行記みたいなものを目指したなにか

宗谷ラッセルを撮りに行ってきた

皆さんは冬の北海道というと何をイメージしますか?

雪まつり…流氷…スキー…

まぁいろいろありますよね。雪景色を見てるだけでも楽しい。観光客目線ならな*1

 

そんな冬の北海道で、鉄道写真家が全国から集まるという魅力的な被写体というのが、今回撮ってきた“ラッセル”なんですけれども、どうしてこんなに注目を浴びているのかというと、宗谷本線と石北本線を走っている排雪列車が「定期列車」として毎日走っているからです。通常、排雪列車というものは雪が積もった日だけ夜が明けないうちに走行しているイメージですが、宗谷本線では白昼堂々とラッセルヘッドを装備したDE15型ディーゼル機関車が豪快に雪を掻き分け走行するのです。

 

しかしなんせ場所が北海道の最果ての地なので、北海道の玄関口(千歳)あたりに住む私はそんなところまで行く気力がなかなか湧かず、毎年本州から訪れる撮り鉄が上げる写真を眺めて「いつか行きてぇけど行く気しねぇわ」などとほざいていたのですが、3ヶ月前に念願のマイカーを手に入れて以降、急に北海道内どこへでも行ける気がしてきてしまい*2、遂に宗谷遠征を決行したのです。

 

 

2020年1月16日未明、私は 国道40号線をひたすら北上していました。今シーズンは記録的な雪不足で、名寄でもまだアスファルトの路面が見えている状態。しかし流石に美深あたりからは周りに積もっている雪も厚みが出てきて路面も圧雪アイスバーンに変化しました。適度に休憩をとりながらひたすら走り、千歳を出て7時間ほどで幌延町下沼に到着しました。

稚内まで行く気力はもう出なかったので、下沼でラッセルが来るのを待つことにしました。

 

南下沼駅跡地のすぐ近く、国道40号線が宗谷本線とオーバークロスする「下沼跨線橋」です。ここは有名撮影ポイントのひとつで、ラッセルが雪原の中を走り抜ける様子を上から見下ろせます。更に、晴れた日には利尻富士の姿を絡めたカットが狙えるスポットです。

でも、この天候じゃ利尻富士は無理だな…

なーんて言ってたら直前になって雪が止み、青空が広がりだす。

すげぇ!!!!利尻富士だ!!!!!!利尻富士見えるぞ!!!!!!!!!

いやぁ初っ端から素晴らしいものが撮れた。

でもせっかく300km以上も走ってきたんですから、これだけで帰るわけには行きません。なんのためにわざわざ車を転がしてきたのか、追っかけるためだろ。というわけで追っかけます。なお、ラッセルの運転速度は旅客列車と比較してかなり遅いので、安全運転で追っかけていても充分間に合います。路面状況も悪いので、焦らずゆっくり追いかけましょう。

というわけで雄信内(おのっぷない)駅にやってきました。

この駅ではラッセルが旅客列車と交換するために停車しています。

後ろ側のラッセルヘッドには、走行時に巻き上げられた雪がこびりついています。

稚内行きのキハ54がやってきました。

キハの後ろ姿も真っ白ですね。

キハ54が稚内へ向け出ていった後、ラッセルも「ぷぁん」と小さく電笛を鳴らして出発しました。

 

ラッセルはこの後、トンネルの氷柱除去作業があってしばらくトンネルで停まっているので、その隙に更に先回りします。

歌内駅から線路に並行する道道に入って走っていくと、このサイロの手前に怪しいレンタカーが数台停まっており、なんだかさっき下沼とか雄信内で見かけたような気がする車が混じっています(実際、先程会った同業者の方が居た)。ここも有名撮影スポットに違いありませんね。

所謂「歌内カーブ」です。天気はとても良かったのですが、雪をはねずに通過していってしまいました。

ラッセルは天塩中川駅でも交換のため停車するので、天塩中川駅の先のスポットへと移動して再び撮影に挑みます*3

歌内に居た時は気持ちの良い青空が広がっていたのですが、歌内を出てすぐ急に雪が強く降りだし、旧琴平駅付近の「琴平カーブ」に到着するとこんな景色。期待と不安が入り交じる中でラッセルを待ちます。

これ!!!!!!!これが撮りたくてここまで来たんだよ!!!!!!!!!!最高だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

こんなのが撮れてしまっては、ここまで長距離運転してきた疲労も吹っ飛ぶ…わけはなく、むしろ満足感から疲労が復活してきてしまったので、追っかけはここで終えて蕎麦でも食ってから温泉に行くことにしました。

追っかけやめたはずが、音威子府駅に着くとちょうどラッセルが発車していった。

 

音威子府駅の駅そばは既に終了していたので、すぐ近くの道の駅で音威子府そばを頂きました。黒い。そして美味い。ラッセルを撮りに行くなら音威子府そばは外せないですね*4

 

 そして天塩川温泉。

入浴料400円。銭湯感覚で入れる温泉です。銭湯感覚でタオルを持参しましょう。なお、シャンプー・ボディーソープは備え付けてあります。

昼過ぎなのでガラッガラ、なまらあずましかった*5。開放的な露天風呂も備わっていてもう最高。

お風呂から上がったら、畳の部屋で休憩できます。飲料水も自由に飲める。Wi-Fiも飛んでる。もうここ泊まりてえな(※天塩川温泉は宿泊もできます)。

天塩川温泉、実はマイカーじゃない汽車旅の人でも手軽に行けちゃいます。天塩川温泉駅なんてのが目の前(目の前とは言っていない)にありますからね。板切れの短いホームですが、待合室は意外としっかりした造りで、暖房も入っていました。

キハ261の特急サロベツが走ってきたので適当に撮るなどした。ラッセルの遅さに慣れてから特急を撮ろうとするとスピードに追いつけず死ぬ。

 

この後、旭川でラーメン食って家に帰りました(※音威子府旭川で120km、旭川〜千歳で150kmくらいさらっと移動している)。

正直なまら疲れた。日帰りはキツすぎる。みんなは宗谷ラッセル撮りに行く時はちゃんとどっかで泊まろうね。

*1:雪国の住人にとって雪は厄介者でしかないのである

*2:この前うっかり函館まで行ったりした

*3:歌内で撮ってた人ほぼ全員一緒になって移動したので、ここで謎の一体感が生まれる

*4:しかしこの先も追っかけるとなると食ってる暇が無いのだが

*5:「あずましい」は北海道弁で「居心地が良い」みたいな意味