あにょりもっも

気まぐれ旅行記みたいなものを目指したなにか

【考察】新函館北斗駅は不便なのか?

あと2ヶ月で開業2週年を迎える北海道新幹線。その北海道新幹線の暫定終着駅となっている新函館北斗駅は、これまで様々な批判に曝されてきました。

しかし、数ある批判の中には、的外れと思えるものも多く、本当は不便な駅ではないのでは?実はとても便利な駅なのでは?という感想を持つに至り、この場でちょっとその辺を考えてみることにしたのです。

 

飛行機勝てない?

新幹線の利便性を語る時に常について回るのが、強力なライバルである飛行機との比較です。そして、新幹線は一般的に、市街地のど真ん中まで乗り入れるという手法によって飛行機の猛攻を抑えることが多いため、市街地から見て大幅に離れている、函館空港よりも離れたところにある新函館北斗駅の利便性が疑問視されるのは当然の流れと言えましょう。

しかし、単に地図に定規を当てただけでは本当の利便性など見えてきません。例えば、所要時間的には明らかに飛行機に軍配が上がる東京〜函館で見ても、羽田を出発する函館行きの最終便が1730発だったり(最終の新函館北斗行きはやぶさが東京駅を出発するのは1920)するので一概に飛行機のほうが便利とは言えないし、東北〜函館を見るとそもそも航空便が無かったりするのです。

それから、値段だけを見て「成田〜函館にLCC(バニラエア)が就航したから運賃クソ高い北海道新幹線は誰も乗らなくなる」なーんて言ってる人も結構見ましたけど、控えめに言ってアホですよね。一日たった一便のA320がどうやったら新幹線を殺すんだよ。そもそも「狭苦しくても不便なとこから飛んでもなんでも良いからとにかく安くしろ」というニーズに応えているLCCと、「多少は値が張っても良いから快適に移動したい」という人を拾っている新幹線とでは、あまり客層も被らないのでわりとどうでもいいし、なんなら「往復どちらか片方は新幹線にしてもう片方は飛行機にしよう」なんていう新たな流れも生んだのではないかと私は見ています。

 

在来線時代より不便になった?

北海道新幹線開業前、青函トンネルには、新青森〜青森〜函館を結ぶ特急列車「スーパー白鳥」が走っていました。新函館北斗批判派が言うには、「乗り換え無しで移動できた青森〜函館が、青森〜新青森新函館北斗〜函館と2回も乗り換える羽目になり、運賃が大幅に上がったのに所要時間短縮になっておらずクソ」ということらしいのですが、よーく考えてみてください。そもそも「青森駅から函館駅」って利用する人がそんな多いのか?って話ですよ。青森駅函館駅も、連絡船との接続を考えて造られたものなので海辺にあり、現在の市街地の中心からはズレた場所になっています。まぁ確かに住宅地の中にある新青森駅と違って、新函館北斗駅はかなりの町外れですが、自家用車での送り迎えが一般的なあの地域においては、特に大きな問題とは見做されていないように見受けられます。

運賃についても、えきねっとから予約することで大幅な割引が効くため、「運賃が大幅に上がったのに所要時間は変わらん」なんてのは嘘で、「運賃はそこまで大きく上がらず所要時間は大幅に短縮された」というのが実際に乗った感想です。見方を変えるだけでこんなにも変わるのかって感じですねこれ。

 

はこだてライナークソ?

新函館北斗駅函館駅を結ぶ連絡列車である「はこだてライナー」。札幌圏でも広く活躍している733系通勤電車3両または6両で運転されています。

「新幹線に長い時間揺られてきて、北の大地に降りて旅情を味わおうと思ったら急に通勤電車に詰め込まれるなんて、本当にクソ」というのが、大都会で満員電車に詰め込まれすぎてロングシートアレルギーを発症してしまった可哀想な人の言い分です。

先述したように、函館やその近辺の住民の多くは、新函館北斗駅に自家用車で向かいます。そのため、はこだてライナーがどんな車両だろうが知ったこっちゃありません。

JRを利用する駅周辺の住民も、はこだてライナーができる以前はキハ40という国鉄の匂いがムンムンする気動車1両か2両の列車を使うしかなかったため、ピカピカで冷房もある通勤電車を大歓迎したそうです。

というか、乗り鉄の方々は知らないでしょうけど、北海道を観光するにはレンタカーを借りたほうが観光名所を巡れて楽しいので、新函館北斗駅を降りると駅前に並ぶレンタカー屋街へと吸い込まれていく観光客も結構多いんですよ。旅行ツアー参加者はツアーのバスに吸い込まれていくし、函館には目もくれず洞爺や登別に向かっちゃう人はそのまま札幌行きの特急列車に乗るし、はこだてライナーの利用客って実はそんなに多くないんですよ。新幹線10両編成の乗客全員が3両の通勤電車に殺到する様を想像していた方はご安心ください。そんな光景は基本的には無いです。それでもロングシート嫌だっていうなら、新幹線を新函館北斗のひとつ手前の木古内で降りて、道南いさりび鉄道に乗ってあげてください。

そういえば、はこだてライナーSuicaが使えないことを嘆く利権おじさんも時々いますが、「いや、新幹線やぞ?函館駅までの乗車券をあらかじめ買ってこいや。」としか思いましぇん。ちなみに今回の話とは直接関係ありませんが、函館市電ではSuicaが使えるようになってます。

 

 

 

 

確かに、新函館北斗駅は、札幌延伸のことを優先させた立地で、函館にとっては理想とはだいぶ違った駅かもしれません。しかし、車社会の北海道で、「郊外型新幹線ターミナル」というジャンルを打ち立てた功績は賞賛に値すると思います。これから先、新幹線が札幌まで伸びてからも、函館・道南の玄関口として、新函館北斗駅は賑わってほしいものです。

でも、最後にひとつだけ言わせて。

新函館北斗って駅名、長いよ!新函館でも北斗函館でもどっちでも良かった、でもこの2つを混ぜて誰も得しない駅名にしたのはやっぱり間違ってるよ!!

なにもしてないのにパソコンが壊れた

※この記事は、正常に動かなくなったパソコンをどう動かせるようにしたかという経緯をふんわり書いたものであり、パソコンが壊れて困っている方に対してのアドバイスにはあまりならないものです。パソコンが正常に動作せずお困りの方は、症状をGoogle先生に相談してなんとかしてください。私は情報分野に関しては専門家じゃないのでよくわかんないです。

 

 

「なにもしてないのにパソコンが壊れた」

というのは、よく情弱の決まり文句としてバカにされている言葉でありますが、実際パソコンというのはウイルスに感染させてしまったとかハードウェアをぶっ壊したとかそういうことを起こしていないにも関わらず突如として正常に動かなくなったりするものなのであります。

先日、私が去年から使用しているHPノートブック(Windows10)が突如としてイカれまして、見る者の顔をも青く染め上げるブルースクリーンを表示しては延々と再起動を繰り返すというヤバイ状況に陥ったのであります。

いや、思い返せば前兆はあった。何故かアクションセンターが開かなくなっていたような気がする。しかし特にそれ以外に目立った不具合は無く、時々フリーズしては強制終了させている程度だったので特に重く受け止めることなく使用を続けていました。

過去をアレしても仕方がないので、とりあえずセーフモードで起動してデータを救出後、システムの修復だの初期化だのいろいろとポチポチしてみたものの回復には至らず、リカバリーディスクを光学ディスクドライブにぶち込んだもののリカバリーすら失敗し、さてこれはちょっとかなりやべぇぞと思いながら必死にググり続け、パソコンの蓋を開けてメモリを抜き差ししたりしてみて*1、それでもリカバリーはうまくいきません。

おいおいおい死んだわコイツとか思って復旧断念を考えるも、流石にたった1年しか使っていないノートパソコンを 捨てるのはもったいなさすぎるし、ハードウェアがぶっ壊れたような音も聞こえないし、ソフトがイカれてるだけ*2でちょっと別のOSを動かしてみたら動くんじゃね?とか思って、なんかその辺に良いOS転がってないかなーって探して引っ張ってきたのがChaletOSとかいうやつです。

LINUXとかubuntuとかいう言葉は以前*3からちょこちょこ耳にしていたものの、なんとなく玄人向けの情弱にはとっつきにくいOSというイメージがあったのですが、まぁわからんくなったらググればいいやという情弱根性でやってみることにしました。

家にあった正常なPCでChaletOSのisoファイルをダウンロードし、これをディスクに焼くソフト*4でDVD-Rに焼いて、リカバリーが途中で止まったため起動すらしなくなったPCにえいっと突っ込んだところ

 

動いたー!!!! 

 

と喜んだものの、OSのインストール途中でなんか変なエラーが出て止まってしまう。

これも対処法をいろいろ調べ、いろいろやったもののなっかなかうまくいかず、やっぱり情弱にLINUXとか無理だったんだーとか思ってたら、boot-repairなる大変便利なツールを使ってみたら一発で解決してしまいました。

 

こうして私は、なにもしてないのに壊れるWindows10とかいうクソと決別し、LINUXと生きていくことになったのであります。

 

ChaletOSは、ubuntuの派生OSなので、使っていてよくわからなくなったことがあったらubuntuの情報を検索してそのとおりにやれば大抵なんとかなります。

使い心地については、Windowsより良いです。まぁ、Windowsならすべてマウスでカチカチして終わるような作業で、毎回毎回ターミナル*5を立ち上げてコマンドを入力していかねばならない点が面倒といえば面倒ですが、慣れてくると結構面白くなってきますよ。

Windowsで愛用していたアプリケーションの数々は使えなくなってしまったりしてますが、代わりはいくらでも居そうなのでなんとかなりそうです。これも慣れるまでがアレですが…

 

 

ということで、これを読んでもChaletOSとはなんぞやってこととか導入方法とかよくわからなかったと思います。丁寧にわかりやすく解説しているサイトがたくさんありますから、そちらを自分で調べて見に行ってください。ググってその通りに対処していくだけの情弱がそこまで良い解説を書けるわけゃないんです。というか、そんな適当な対処でOSをインストールできちゃうって事実には私自身も驚いています。

皆さんにWindowsとかいうゴミカスなんか捨ててLINUXの世界に来ようぜ!とか言うつもりは更々ありませんが、不具合が多発して困っているとか、パソコンが起動しなくなって困っているという方に、こんな解決方法もあるんだよと教えてあげたかった。というのは建前で、今回の経緯を自分で忘れないよう記録しておきたくて書いた記事でした。

*1:これは結局「案外簡単に蓋開くんだね」という見識を得た以外の意味は無かった、しかも開け方が雑で蓋に傷がついた。

*2:Win10はリカバリーメディアがイカれてるみたいな話もちらほら聞こえてくる

*3:だいたいWindowsXPサポート終了のあたり

*4:私はImgBurnを使った

*5:Windowsでいうコマンドプロンプト

【徹底解説】大雪の新千歳空港で飛べなくなった時の対処法

【CAUTION】ここに書いてあることは、筆者の体験談や観測に基いておりますが、確実な情報とは言えない部分も多々あると思われます。この記事で得た情報による損害などが発生した場合に筆者は一切の責任を負いませんのでくれぐれもご注意ください。

 

 

 

今年は寒くなるのが早く、10月だというのにもう雪が降ってしまっている北海道からお送りしています。

北海道は既にこれから4月まで続く長く厳しい冬に足を突っ込んでいるわけですが、冬に問題になることといえばやっぱり交通機関の麻痺ですよね。昨年末は千歳が猛烈な雪雲に襲われて、新千歳空港は除雪が追いつかずに数日に渡ってダイヤが乱れっぱなしで、一番酷かった日は空港まで通じる道路の除雪もままならない状態に陥って、空港に取り残された難民はろくに食糧も情報もない中で夜を耐えねばならず、耐えきれなくなった一部難民が搭乗ゲートを強行突破したりして、もうわや*1でした。

ということで、ほんのちょっと旅の役に立つブログを目指すあにょりもっもとしては、冬になっちゃう前にこの企画をやらねばならぬと思いまして書いているわけでございます。

楽しかった北海道旅行、骨折することもなく無事に帰れるぞ~と思って新千歳空港に来てみたら、案内表示には「欠航」の文字がドドドドドドっと並んでいた…

そんな時、あなたならどうしますか?

 

 まず航空会社は選択肢を2つ提示してくるでしょう。他便への振替か、払い戻しかです。しかし、どうも雪が降り続いてしまって今日は飛べそうにない、明日も今日の客が振替で乗るせいで午前中は席が無い、午後からはまた天気が悪くなって飛べなくなりそう…

みたいなことになっている場合は、飛ぶのを諦めたほうが良いかもしれないな…となるわけです。そんなこと滅多にないでしょって?あるんですよ年に何回かは。

 

 

新千歳空港から飛ぶことを諦めて他の手段に逃げる場合、選択肢は大まかにわけると3つ。

千歳はダメだ、他から飛ぶぞ作戦

新幹線で青函トンネル潜るぞ作戦

海に雪は積もらない!フェリー作戦

状況に応じてどれかを選ぶか、それとも千歳に残って飛べる時を待つか…経済的・体力的損失は黙ってても発生してくるので、こうなったらもう雪害を楽しむような気持ちでどれかを選んでしまおうぜ!という感じで行動していかなければなりません。それではそれぞれの手段を検討していきましょう。

 

①千歳以外の空港から飛ぶ

広大な北海道には、千歳以外にも空港が12あります。千歳から近くて、かつ道外への便が出ている空港は、旭川空港(羽田便が7便、中部と伊丹が1便ずつ)と、帯広空港(羽田便のみ7便)になります*2

旭川空港は豪雪地帯にありますが、万全な除雪体制で欠航を滅多に出しません。しかしこれは便数の少なさから実現できる技であり、同じことを莫大な便数*3を抱える新千歳空港にやれと言うのは馬鹿なのでやめてください。

帯広は雪がそんなに多くない地域なのですが、それは千歳も同じなので、降ってしまうと厳しいです。しかしここも規模が小さいので、千歳ほど除雪で大変なことにはならないでしょう。

ということで、旭川や帯広は使える空港です。JALだけでなく、雪を知り尽くした北海道のエアラインエアドゥも就航してますし。冬の北海道旅行はそもそも旭川空港帯広空港を利用する計画にしたほうが良いかもしれませんね、行きたい場所が上川や十勝な場合は特に。

で、千歳で飛べなくなったから旭川空港に向かうぞぉお!!みたいなことができるかどうかですが、やめといたほうがいいですね。近いといっても170kmを超える道程、それは決して楽ではありません。千歳で大雪が降る時、雪雲は日本海側の石狩湾から流れてきています。ということは、旭川へ向かうにあたって通らなければならない場所は、千歳以上にヤバイ大雪に襲われているかもしれないということなのです。JR北海道だってポイント*4が切り替えられなくなったら止まります。高速バスは事故に巻き込まれたり、一般道を迂回して渋滞に巻き込まれるかもしれません。大袈裟に書いているつもりはありません。ほんとにやべぇんだって。

じゃあ、帯広空港はどうでしょうか?南千歳駅*5から帯広行きの特急に乗れるし、新千歳空港から帯広まで行っちゃう高速バスも出てるし、旭川よりも楽に行けちゃいます!…って言いたいんですけど、このルートは狩勝峠を越えるというアレがあるんですよねぇ。山の上の天気は読めないし、道東道は対面通行の狭い道なので事故が起これば通行止めだし、このルートは賭けですね。勝てば他の手段より楽に東京まで飛べますが、負ければ樹海で遭難です。

旭川も帯広もダメなら、次に近いのは函館空港ということになってくるんですが、わざわざ函館まで行くならもう飛行機以外の手を使うことを考えてもいいでしょう。それが次です。

 

②新幹線で青函トンネル

2016年3月26日、北の大地に、待ちに待った、待ちすぎて干からびてしまったくらい待った、新幹線が上陸しました。新幹線はすごいぞ。はじめての冬だった昨シーズン、新千歳空港がわやになっている時でも、しっかり動き続け、その圧倒的な強さを見せつけてくれました。

 ということで、新幹線に乗るぞ!!!と行くのですが、北海道新幹線が発着する新函館北斗駅までが遠いのよ。函館よりちょっぴり手前って言ってもその距離は250kmを超えるわけで、特急列車でも南千歳駅から3時間かかります。快適な座席に座っていてもあのガタガタ揺れる3時間は苦痛なのに、飛行機の払い戻しで散々疲れた状態のまま、すし詰め状態で3時間ガタンゴトンしなきゃいけないなんて……そんな苦行の後に味わう、ピカピカな軌道上を滑るように突っ走っていく新幹線は、さぞ快適なんだろうなあ!!!!!!!

このルートの欠点は、ただ耐えるのが辛いだけではありません。実は、このルートを使う上で多くの人が使う函館行きの特急列車が、悪天候時は止まってしまうことが多いのです。よくあるのは、先に述べたポイント不転換の他に、倒木とか、車両不具合とか、踏切事故なんかも起きますねこういう時は。北海道新幹線が札幌まで伸びてくれればこんなことで悩む必要もないのになぁ、北海道新幹線はやく札幌まで伸びてくんねぇかなぁ*6

新函館北斗駅まで高速バスで移動しようにも、函館方面のバスは千歳からは発着していません。札幌*7まで戻らなければなりません。夜行便に乗って効率的に攻略したいって思う方も居ると思いますが、何時間かかるのかもわからない恐怖のバスに乗るよりは、次に提案するフェリーに乗って波に揺られながら寝たほうが賢明だと個人的には思いますね。だいたいこういう時ってバス動いてても混んでて乗れなかったりするしね。

え?なに?レンタカー乗り捨てはどうかって?命が惜しけりゃやめておけ。4WDのSUVなら大丈夫だろとか思ってる奴いないか?一番先に死ぬのはお前みたいな奴なんだぞ?お願いだからやめてくれよ無茶なことをするのは。

 

③カーフェリー

みなさんフェリーは好きですか?乗ったことありますか?というか、まず、知ってますか?

北海道と本州を結ぶフェリーは6社9航路。新千歳空港からほど近い太平洋側の港である苫小牧からは、西港と東港あわせて4社5航路が出ています。実は、新千歳空港を捨てて違う手段を選ぶ場合に、危険な北海道の陸上移動を一番少なく済ませることができるのが、この苫小牧からフェリーに乗るという手段なのです。イメージ的に安全とは思わない人も多い海路が、実は一番安全なんです。

苫小牧の他に道央から本州行きフェリーが出ている港は、小樽です。小樽からは新潟・舞鶴へ行けます*8。小樽港の利用は、あの辺りを観光する予定ではじめから船に乗る旅程を立てるのであれば良いですが、大雪の時に新千歳空港から小樽に向かうのは、かなり厳しいです。日本海側の石狩湾に面した断崖絶壁の難所を通って行かねばならないからです。というわけで今回は苫小牧発着フェリーのみ見ていきます。

しかしでもまぁフェリーが良いぞと言っても、状況によりますよもちろん。もし波がやべぇことになっていたら欠航したり、大幅な遅延が発生してきます。そこで波の予報やフェリー各社の運航情報とにらめっこしながら乗る船を決めなければなりません。それでは4社5航路の比較をざっくりしていきましょうか。

 

川崎近海汽船シルバーフェリー

 苫小牧~八戸を結ぶシルバーフェリー1日4便乗船時間は7~8時間ほど、運賃は2等*9が5000円、2等寝台*10が7500円。苫小牧発のフェリーの中では一番移動距離が短く、フェリーに不慣れな方にも抵抗が少ない航路でしょう。

客室設備はそこまで豪華ではないですが、夜行便なんかに乗ると「寝てりゃ着く」みたいな感じで乗れるので使いやすいです。

運航ダイヤは下記のリンクからご確認ください。

http://www.silverferry.jp/schedule/

 

2115発と2359発の夜行便がおすすめですが、早朝0500とか誰が乗るのよって感じの便もありますね。これ乗るためには苫小牧のフェリーターミナルに泊まり込むんですかね…そんなことするくらいなら新千歳空港に残ったほうが良いような…

このシルバーフェリー苫小牧西港発着ですのでお間違えのないように。

 

商船三井フェリーさんふらわあ

 苫小牧~大洗を結ぶ商船三井フェリーさんふらわあ1日2便乗船時間は18~19時間ほど、運賃はツーリスト(2等に相当)が8740~11310円、コンフォート(寝台の中にテレビがついているらしい)が13330円~15900円、カジュアル(深夜便の寝台)11830~14400円です。

運航ダイヤ - 商船三井フェリー

この航路では、夕方便(苫小牧1845→大洗1400)と深夜便(苫小牧0130→大洗1930)の2系統を、それぞれ客室設備重視の船と貨物輸送重視の船で回しています。夕方便のほうは、2隻とも今年に新造船に置き換えられたばかり*11なので、とても快適な旅が楽しめると思います*12

この航路での注意点は、けっこう頻繁にある運休日です。夕方便と深夜便のどっちかが欠ける日があります。運航スケジュールを確認しておいてください。

この商船三井フェリー苫小牧西港発着ですのでお間違えのないように。

 

太平洋フェリー

お待たせいたしました。当ブログの乗船記*13でもお馴染み、太平洋フェリーでございます。

 苫小牧~仙台~名古屋を結ぶ太平洋フェリー。基本的に苫小牧~仙台は毎日運航、仙台~名古屋は隔日運航というダイヤ。苫小牧から名古屋まで乗り通すと実に39.5時間もかかるのですが、苫小牧~仙台は15時間の船旅です。

www.taiheiyo-ferry.co.jp

マニアとしては乗り通してほしい気持ちもありますが、今回は飛行機の代替手段を考える場なので苫小牧→仙台だけ見ますね…

A期間*14で、きたかみ2等7200円、きそ・いしかり2等8300円。きたかみB寝台9300円、きそ・いしかりB寝台10400円。

早割*15で名古屋~苫小牧6400円で寝台乗り通してしまった人間からすると、へぇ通常運賃ってこんなに高かったのかぁって感じですね。ていうか、こんなに運賃払うんだったらやっぱ乗り通したほうがお得なんじゃね??*16

うっかり本題を忘れそうになるのが太平洋フェリーの怖い所ですね、いやだってさぁあの船は15時間で降りるの物足りないぞ、40時間があっという間だったからほんとに。素晴らしい船なので是非乗ってください。

この太平洋フェリー苫小牧西港発着ですのでお間違えのないように。

 

新日本海フェリー

良い写真が用意できず申し訳ありません。この写真じゃ伝わらないでしょうけど、この船、実はものすごくデカいんです。太平洋フェリーよりも更にデカい。

どうしてそんなにデカいのか?というと、全ては冬の大荒れの日本海を航行するためです。そのため新日本海フェリーは、時化に強いとよく言われています。ま、絶対に欠航しないってわけじゃありませんから勘違いしないでくださいね?

苫小牧発着便は、苫小牧〜敦賀の直行便(高速フェリー)と、苫小牧〜秋田〜新潟敦賀と寄港しながら行く便の2種類があります。

www.snf.jp

www.snf.jp

www.snf.jp

直行便の高速船は、苫小牧を2330に出港して敦賀に着くのは2030という使い勝手のあまりよろしくないダイヤながら、太平洋フェリーに負けないくらい豪華な接客設備を持ち、それでいて27.5ノットの駿速を発揮して21時間という所要時間を叩き出しています。運賃は期間A*17のツーリストA*18が9570円。

そして、あまり注目されることのない裏ルートのような苫小牧〜秋田〜新潟〜敦賀の便ですが、苫小牧を1930に出て、秋田は0735(所要時間約12時間)、新潟は1530(所要時間20時間)に到着するという意外と使い勝手が良いものなので、検討する価値は充分あります。なお、苫小牧〜秋田〜新潟は週6便、新潟〜敦賀は週1便という運行形態になっています。期間A運賃は苫小牧~秋田のツーリストJ(カーペット)が4530円、ツーリストB(2段寝台)が5310円、ツーリストAが6010円。苫小牧~新潟はツーリストJが6480円、ツーリストBが7630円、ツーリストAが8630円。

新日本海フェリーは、航行が安定していて設備も快適な大きな船ということでとても良いものなのですが、冬の日本海に揉まれるという点を考えると、はっきり言ってあまり初心者向けの船ではないです。しかし、苫小牧~敦賀の直行便なんかはダイヤがクソとはいえ関西方面に向かうにはこんなに良い手段は他に無いですから、乗ってみてほしいなと思うのです。

この新日本海フェリーは、他の3社と違って苫小牧東港発着です。新日本海フェリーだけ東港ですよ?いいですね?

 

新千歳空港から港までの交通手段

シルバー・商船三井太平洋フェリーが発着する苫小牧西港フェリーターミナルへは、新千歳空港から直接、北都交通のバスが出ています(運賃670円、所要40分、途中バス停無し)。しかし1720発の1便しか出ない上に、あまり乗る人もおらず、大雪の日には運休している恐れがあります。苫小牧西港FTの最寄り駅は苫小牧駅なので、そこまでなんとか行ってバスかタクシーで向かってください。一応歩くこともできなくはないですが5kmくらいあるのでつらいです。

新日本海フェリーが発着する苫小牧東港周文埠頭へは、道南バスが運行する連絡バスで行けます。1825と2205に南千歳駅前から出発します(運賃は1000円、所要45分)。東港は、このバスに乗らないと、公共交通機関で行くのはとても厳しい場所です。最寄り駅は日高本線浜厚真駅ですが、あんな原野を歩いていたら遭難します。やめてください。

 

 

さてさてフェリーの話がやたら長くなってしまいましたね。ここまでダラダラ語ったことを雑にまとめておきます。

 

 

「とりあえず北海道を出よう、そうすればなんとかなる。」→「シルバーフェリーで八戸」

 

「せっかく船に乗るならゆっくり乗って関東まで行っちゃいたい。または、ガルパンおじさん。」→「商船三井フェリーで大洗」

 

「せっかく船に乗るなら優雅に船旅を楽しみたい。」→「太平洋フェリーで仙台(もしくは名古屋)」

 

「上記3つのフェリーが動いてない。または、日本海側の地域・関西方面へまっすぐ行きたい。」→「新日本海フェリーで秋田・新潟・敦賀

 

 

ということになります。フェリーの有用性、理解して頂けたでしょうか?

 時化の話も出てきましたが、船酔いが心配という方も居るでしょうから、船酔い予防法をちょっと紹介します。しっかり睡眠を摂ること。過度な満腹や空腹は避けること。味の濃いもの、特に酸っぱいものはなるべく食べないこと。睡眠不足は避けること。遠くの景色を見ること。睡眠時間を削らないこと。寝不足にならないこと*19

これくらい守っていればまぁ大丈夫でしょう。酔い止め薬や酔い止めリストバンドも必要に応じて使うと良いです。それから、エチケット袋*20が手元にあると不安感が少し和らぐのでそれだけでも船酔い抑制効果があります。

 

それでは皆さん、よい船旅を!

 

 

 

 

…って終わろうと思ったらこれフェリー紹介記事じゃねぇよ、新千歳空港で飛べなくなった際の指南してたんだよ。私もフェリー万能説を唱える気はあまりありませんし、実際これをやるとなると楽しんでいる余裕なんて無いでしょう普通は。しかしそこを楽しめるくらいの余裕を持って行動していかないと、冬の北海道を生き抜くのはキツいですよ?余裕を持てないなら冬に北海道は来ないほうがいいです。来ないでください。危ないですから。

 

結局、私が一番言いたいのは「航空会社のカウンターに怒りを向けるような愚かな真似をしていないで、早く次の手を考えろ。」ということです。どんな手を選べば一番良いのかはその日の状況によって変わりますが、ここで良いものを選ぶことができれば、悪い思い出になりそうだったものを良い思い出に変えることができるかもしれないのです。

でもまぁ、なるべくなら天気荒れそうな時に北海道なんて来ないほうがいいよ。

 

    お  し  ま  い   

 

 

*1:「わや」とは、北海道方言で「めちゃくちゃなさま。手がつけられないさま。収拾がつかないこと。てんやわんや。」

*2:札幌の丘珠飛行場からも三沢空港へ行く便がそういえばありましたね!指摘されてから気付きました。ごめんね。ただ、大雪の時の丘珠は千歳より更に酷いことになるのでどうせ選択肢からは除外されますよー

*3:数えるの面倒だから数えてないけどたぶん150便以上ある

*4:わからない人のために一応説明すると、ポイントっていうのは線路の分かれ道(分岐)の機構のことです。利用すると貯まっていって様々なサービスをしてくれるアレではありません。

*5:新千歳空港駅の隣駅。新千歳空港ターミナルビルができる以前はここが「千歳空港駅」で、千歳空港ターミナルビルもここにあった。

*6:2030年度の開業を目指し絶賛建設中

*7:厳密に言えば大谷地(おおやち)バスターミナルまで行けばなんとかなる

*8:小樽~新潟・小樽~舞鶴新日本海フェリーが運航しています

*9:カーペット敷きに四角い枕が置いてあるだけのタイプ、いわゆる雑魚寝

*10:寝台列車でいうB寝台みたいなもん

*11:ガールズ&パンツァーに出ていた船(旧東日本フェリーばるな→旧さんふらわあさっぽろ)は引退してしまいました。

*12:私はまだ乗ってません。乗りたい。

*13:

 

oberoffer.hatenablog.com

 

*14:夏休みと年末年始以外の期間

*15:2ヶ月前にインターネット予約すると半額になるなまらすげぇ割引。太平洋フェリーが信仰される一番の要因はもしかしたらこれかもしれない。

*16:苫小牧~名古屋のA期間運賃は2等10800円、B寝台12900円

*17:ゴールデンウィークと夏休み以外の期間

*18:太平洋フェリーのB寝台に相当

*19:充分な睡眠を心掛けましょう

*20:飛行機・船に乗った時はちゃっかり貰っておこう!

おすすめの格安レンタカー

北海道を旅するのには欠かせないと思っている人も多いであろう「レンタカー」というサービス。俺は汽車にしか乗らねぇんだという強硬派鉄オタや、俺はどこまでもマイカーと旅するんだというカーフェリー派などにとってはどうでもいい話でしょうから、そういう方々はこの記事は読まなくて結構です。

私は北海道民ですが、様々な事情からマイカーを持っておらず、お空を飛んで北海道にやってくる観光客向けにたくさんある千歳のレンタカー屋をちょいちょい利用しています。

そして、千歳にも、俗に「格安レンタカー」と呼ばれる、すごい安いけれどなんだかちょっと怪しいレンタカー屋が何軒かありまして、利用したこともあるんですが、安いということもあり不安に思う方も多いはずです。そこで、旅行記ばかり書いていても有益な旅行情報提供にならねぇなと思った私は、スポンサーから金を貰うわけでもないのに、おすすめの格安レンタカーを紹介するなどという変なことをやることにしたのです。

 

そもそも、格安レンタカーと呼ばれる、なんか腹立つマークを貼っつけているクッソ安いレンタカー屋たちは、何故そんなに安く車を貸してくれるのか。ポイントは2つあり、「中古車を使っている」「店舗が簡易的・ガソリンスタンド等が副業としてやっている」というところにあります。“安いものには安いなりの理由がある”というのは、格安航空を利用して急に欠航になった際に、そういう時に補償は無いという契約にもかかわらず契約内容も知らずにカウンターの職員に詰め寄ったりSNSで被害を訴えたりということをする人達にはよく知っていただきたいのですが、LCCで飛んできたそんな感じの人達がそのまま来てそうだなという感じなのが、この格安レンタカーだったりするわけなんですよね。

 話が少し逸れ気味でガードレールに擦りそうなので戻しますが、「貸出車両が中古車」という点は、中古車購入を検討していてちょっと古めの車の乗り心地を確かめたいとか思っている人には良いかもしれませんが、普通に考えると、ピカピカな車が多い大手レンタカーと比較するとやっぱり劣ります。何が嫌かって燃費の悪さですよね。せっかく格安を選んでいても燃費悪かったら意味ねぇじゃねぇか。そして、格安レンタカーはガソリンスタンドの副業であることも多く、給油するスタンドをレンタカー屋側で指定してくるということが往々にしてあるのです。もっと安いセルフスタンドで満タンにならないくらいに入れて、その後に指定スタンドへ行くなんていう手もありますが、数時間しかないドライブタイムをそんなことのために削るのもバカバカしい話です。

時間という話をすると、少しでも時間をオーバーすると追加料金がかかるというケチ臭さも格安レンタカーの注意点です。そりゃあケチ臭さで成り立っているような商売ですから致し方ありません。

そして、これも大事な点ですが、空港にカウンターがありません。空港ターミナルなんてテナント料バカ高いから当然ですね。空港から送迎してもらいたい人は、飛行機を降りたら電話をかけてバスを呼ばないといけません。バスが停まる場所もバス専用レーンではなく一般車レーンです。

それから忘れてはならない注意点が、出発前点検です。先程言ったように、中古車なのでそもそもボロい上に、客層が客層なので、とにかくベコベコな車が結構います。このキズや凹みを店員さんと一緒にチェックシートを見ながら確認しますが、この点検をしっかりやらないと、自分で付けていないキズを「てめぇキズつけたな修理代払えやゴルァ」される可能性があります。私はゴルァはされたことないですが、やはり傷だらけのレンタカーに乗るのは気が気じゃないです。

 

ここまで格安レンタカーのことを散々disり散らかしてきたわけでありますが、こんな私がおすすめする格安レンタカーとはどこなのか。

 

 

 

言ってしまいましょう。私がおすすめするのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイムズ カー レンタル

 

 

 

これもう格安レンタカーじゃないじゃん。こいつ格安レンタカー嫌いすぎて狂っちまったか?

とか思わずにまぁ聞いてください。

マツダレンタカーである「タイムズ カー レンタル」は、格安という部類には入らない一般的なレンタカー屋です。しかし、入会金年会費無料のタイムズクラブに入るだけで、格安レンタカーで軽くサービス足した時くらいの金額で車を借りることができてしまうのです。マツダレンタカーなのでマツダ車を推してはいますが、トヨタ・日産・ホンダ・三菱・スズキなど各種メーカーの車が揃っています。

空港にはカウンターがあり、到着便に合わせて送迎バスが来てくれますし、千歳空港店の場合は飛行機を使わない場合でも南千歳駅のすぐ近くなので便利です(他のレンタカー屋は格安に限らず駅からは離れているものが多い)。

事前に契約内容をweb閲覧してしまい当日の手続きを素早く済ますことができるサービスなんかもあるので便利ですし、キャンペーンでクリーンディーゼル車が安くなってたりするともう最高ですよね。燃料そのものの値段が安いだけじゃなく、驚異的に燃費が良く、その上パワフルな走りも楽しめちゃいますからね。

ということで「アクセラスポーツ1500ディーゼルは良いぞ。」というお話でした。

 

 

…じゃなかった、格安レンタカーを使うのが不安な人は、タイムズカーレンタルを使ってくださいねってお話でした。

(※個人的)帯広の観光スポット

【注意】本記事は、士幌線のアーチ橋めぐりを楽しんだ後に、ついでに帯広の街をあまりなにも考えず適当にフラついただけの記録になります。観光パンフレットや旅行サイトに出てくるような観光スポットは殆ど出てきません。細長い公園とか、スーパーのエスカレータ的なものとか、そんなのを巡る観光の何が楽しいのか、ちょっと私自身も振り返るとよくわからん時があるんですが、そういう旅が何故かやめられない、そういう人間が書いた文章ですので、なんていうかまぁアレしてください。

 

糠平で夕方まで過ごしていたせいで、帯広に着いた頃にはすっかり夜になっていました。ということで、夜の十勝大橋を撮ってみました。

うーん、もっと夜に強いカメラがほしい…

 

せっかくなので豚丼でも食おうと思っていたのですが、行こうと思っていたレンタカー屋すぐそばの豚丼屋は私がレンタカー返す前に既に営業時間を終え、シャッターが半分降りていました。さてどうしたもんかととりあえずホテルに向かいました。

こちらが今回の宿。んんー?すぐ隣に「豚丼」って黄地に赤字のポップ体が踊っているぞ~!?(店に吸い込まれる音)

 

「餃子、豚丼、ラーメンの専門店」って掲げてあったんですけど、それ専門店って言って良いんですかね…?いや、ラーメン屋が餃子出すのはわかるし、帯広だから豚丼出すってのもわかるんですけど…

お店の名前は「ラーメン五朗」

ラーメン二郎の2.5倍のやべーやつが出てきたらどうしようとか考えつつ豚丼を頼むと、予想に反して普通に旨そうな豚丼が出てきました。

旨いね。旨いわ。

大空と大地の中でのびのび育った豚さんのお肉は柔らかくて、甘辛いタレとの相性は抜群で、それからちょっと舌が疲れてきた時に落ち着かせてくれる優しい味噌汁も良い。

ラーメン屋だからって侮れませんよ、なんたってラーメンだけじゃなくて餃子も豚丼も専門店ですからね(専門とは…)。

 

~ ホテルヌプカで一泊 ~

 

おはようございます。2017年9月28日になりました。

昨日の時点でちょっと雨雲が迫ってくるのを感じていましたが、外に出てみるとやっぱり雨がザーザー降っています。しかし、今日は1330に帰りの汽車に乗らねばならない。すぐ止むという天気予報を信じて雨の中を歩きます。

満寿屋(ますや)っていう老舗のパンやさんで朝食を買い、びしょ濡れになりながら雨宿りできるとこを探して街を彷徨う怪しい観光客と化す。こういうのが楽しいんだよね(絶望的に共感が来なさそう)。

 

 結局、帯広駅の待合室で雨が上がるのを待ちました。特急列車の改札案内と同時に、パーク&トレインの案内が流されるのを聞くと、地方都市の実情みたいなものを感じますね。

雨も上がったので、繁華街のある北口とは反対側の南口から公園大通を歩いていきます。北側はごちゃごちゃしてるけど、南側は道路が広くてすっきりしていますねー。絶対これ線路が地平だった時代に貨物駅とか車両基地とかあったやつだ。

新しいバスが多い印象を持っていたんですが、こんな味のあるバスがまだ現役なんですねぇ。

帯広の街の座標住所は、大通が南北に走るので、東西が条・南北が丁目になっていて、札幌の座標に慣れ親しんだ道央民にとっては強烈な違和感を覚えます。

西5条南16丁目という意味の「西5南16」を見ても、頭が勝手に「南5条西16丁目」と読んでしまう。重症だな。

 

そして、この交差点からちょっと路地に入ったところにある緑地に、鉄道を引剥した跡地ですよみたいな気配*1を感じ、行ってみると

やっぱりな(レ)

十勝鉄道は、5年くらい前まで根室本線と並行する専用線を運行していたので、それを覚えている方もいるでしょう。現在は運送会社として余生を送る十勝鉄道ですが、かつてはその名に恥じない広大な軽便路線を十勝平野に拡げていました。

「とてっぽ通」として整備されているここは、かつては1067mmと762mmの併用四線軌条だった区間です。

四線軌条の上を大きな汽車・小さな汽車が走っていた時代を想像しながら、雨上がりで状態のよろしくない道を、木の葉から落ちてくる雨滴に打たれつつ進んでいきます(地味に嫌だぞこれ)。昨日タウシュベツで履いた長靴がほしい…

やった!!ここから舗装道だぞ!!!

と思ったら舗装道が始まった直後

可愛らしい蒸気機関車と客車が、ひっそりと保存されていました。

 

さて、保存車拝んだしもういいや戻ろう。

 

 

はいっ!ということで駅前の長崎屋の屋上に来たわけでございますけども

え?なんでそんなところに行ったかって?そりゃおめぇデカい建物を見たら上に登りたくなるべや。

ほれ見てみ?遠くの日高山脈にまとわりつく禍々しい雲。

そんでもって、こんな風に根室本線の高架橋を眺めることができるのですよ。やっぱ高架橋は下から見上げるだけじゃなく上から見下さないとね。

本当は帯広駅を斜めに見下ろしたかったんだけど、ここからでは建物に阻まれてしまう…駅前のビジネスホテルに泊まるしかないか…

ここで撮り鉄してみた。架線の無い高架路線。鉄道模型ジオラマみたいな雰囲気だ。

 

ところで、この長崎屋帯広店のエスカレータ、ちょっと緩やかすぎません?

節子!これエスカレータちゃう!オートスロープや!

 

段差のないエスカレータというか、傾斜した動く歩道というか。

これを「長崎屋帯広店の名物」と称してTwitterに投稿したところ、全国各地の設置事例をリプライされまくり、案外これそんな珍しいものでも無いなという印象が強くなっちゃいましたが、いや、エレベータとか通常のエスカレータに比べたら全然普及してないのに珍しくないは無いだろと。まぁ道内にも幾つかあるし別に初めて見たわけでもないですけど、5階まで重なった壮観なオートスロープを名物と称して何が悪いんじゃ。名物ってそこ唯一の物じゃなきゃダメなのか!?違うだろ!違うだろー!このハゲー!

 

オートスロープの何がそんなに良いのか。商業施設での最大の利点は、「買い物カートを載せられる」ということ。傾斜がついているのにどう載るのかと思ったら、オートスロープの溝に合うようにカートの車輪にも溝がついていて、転がっていかないようになっているんですねぇ。

一方で、傾斜を緩やかにしなければならないので大型施設でないと設置が無理なので、イオンとかコストコみたいなのじゃないとなかなか導入できない施設のようです。

 

 

長崎屋を後にして、今度は線路より北側の街を、バス撮りながらブラブラ。

拓殖バスのマークは、すげぇ三菱っぽいので、ふそうのバスがこのマークつけてるのは問題ないんだけど日野のバスには似合わねぇ似合わねぇ。

なお拓殖バスは、もともとは北海道拓殖鉄道のバス部門だったので、一応鉄バスです。

このちょっと薄気味悪い(失礼だな)公園で、味のある噴水を見かけました。

なんだろうこの可愛いといったら良いのか虚しいと言ったらいいのかよくわからないこの感情。とりあえずこれ好きだわ。

 

鮮やかな黄色のバスは十勝バス。黄色いバスを見ていると、線路上を走っていたアイツ*2を思い出す…

 拓バスと違って、十勝バスは十勝鉄道とは資本的に関係ないです。

鹿の銅像。こういう銅像好きですねぇ。

 

腹が減ってきたので昼食にしましょう。今回帯広で食う最後のメシは、帯広市民に愛される庶民の味、「インデアン」のインデアンカレーにしましょう。

なぜ帯広でカレー?と思う人も居るでしょう。函館に行って迷わずラッキーピエロに突入するような人間なら、帯広でインデアンに行くことをおすすめします。そういうことなんです(伝われ)。

こちらのカレーは421円。安い!でも旨い!

カレーといったら福神漬けという方も多いと思いますが、インデアンでは福神漬けの他に、しその実の醤油漬けと、ガリが用意されています。カレーにガリ…??と思うかもしれませんがこれが合うんだって。ほんとに。

ホットオイルもお好みで使ってみてください。後味がホットになります。

 

カレーを食した後、なんだか甘いものが食べたくなり、六花亭へ突入。

マルセイバターサンド…ではありません。マルセイアイスサンドです。

あのマルセイバターサンドがアイスになっちゃった!!みたいなやつです。マルセイバターサンドマニアなら是非食べてほしい逸品です。

 

さて、もうやること無くなったし歩き疲れたからもう残り時間は駅で過ごそう。

デカデカと「えきねっと」なんて掲げちゃって、もうJR北海道JR東日本北海道支社に成り果てたな。とか言いながら私もえきねっと使ってますけど。だってだって今回のスーパーとかちえきねっとトクだ値で45%OFFになったんだぜ。高速バスとほぼ同じ値段だぜ?*3こんなの使わないわけにいかないべや。

帯広駅の改札は、ホーム別になっていて、ホーム間を移動したい場合は一度改札を出る必要があります。もともとはこんなじゃなかったのですが、真ん中の通路を自由に通れたほうが便利だということでこんなことになったそうです。なお乗り換えでホーム間を移動しなければならない事態はなるべく起きないよう工夫されているので、特に不便だという声も上がっていないようです。

って感じでスーパーとかちに乗って帰途についたのでした。

 

いやぁこれ一記事に詰め込みすぎたな。名古屋旅のノリで分割しまくったほうが良かったか?でもそんな大きなテーマが無いしこれ…

*1:廃線跡を探索している人ならきっとわかるあの微量に残る鉄分

*2:デュアル・モード・ビークルJR北海道が開発した道路から線路に乗り入れができるロマン溢れるマイクロバス。でも正直あんなの何の役に立つかよくわからん

*3:スーパーとかち南千歳~帯広最安列車で往復6500円。北都交通の高速バスで同じ区間が往復6400円。

国鉄士幌線のコンクリートアーチ橋めぐり   ~タウシュベツ見学ツアー~

前記事では、ぬかびら温泉より下流の「第三音更川橋梁」「第四音更川橋梁」を一人で勝手に見学した様子をお伝えしましたが、この記事では、NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンターさんが開催している「旧国鉄士幌線アーチ橋見学ツアー」に参加してみた様子をお伝えしていきます。最近このツアーはとても人気で、14しかない席はすぐ埋まってしまうので、参加したい方は早めの予約を!(と言っても橋が水没しちゃうとダメなので、そこが難しいところ)

 

タウシュベツ川橋梁は、その美しさ、古代遺跡のような風格から、様々なパンフレットやポスターにも度々登場し、また劇場版ガールズ&パンツァーのカール自走臼砲のシーンに登場する鉄道橋のモデルにもなった、非常に有名な橋です。

ダム湖である糠平湖に完全に水没してしまう時期もあり、どっかの新聞では「幻の橋」とか呼ばれちゃってるこの橋は、ダムが完成し汽車が上を走らなくなって以降、水位の上がる夏に水没して、水位の下がる冬に氷から顔を出し、水位と共に下がる氷にゴリゴリ削られながら春に向かっていく。ということを繰り返してきました。そのため、廃線から60年ちょっとしか経っていないのに、すっかり角が削れ、鉄筋が顔を出し、ところどころ崩れています。特に今年は「もう来年には11連のアーチは見られないかもしれない」と噂されており、観光客が激増。ツアーも大盛況となったのです。

 

タウシュベツ川橋梁へ行くには、国道から糠平三股林道を4kmほど進まなくてはいけません。そのため、見学ツアーに参加するのが一番手っ取り早いです。しかしどうしても個人で行きたいんだという方は、十勝西部森林管理署東大雪支所へ行って林道ゲートの鍵を借りるか、林道を歩くかの二択となります。なお一帯はヒグマがうじゃうじゃいる森なので、鈴とかスプレーとか、いろいろ準備しないとダメです。林道からタウシュベツ橋梁までの道はぬかるんでいるので、長靴も必要です。

ツアーでは、狭くてガタガタな林道を自分で運転する必要も、長靴や熊よけスプレーを用意する必要もありません。ぜんぶ面倒みてくれます。なので、ツアー代金3150円は安いと言えるでしょう。というか、山に慣れていない人はツアーに参加すべきですねー。

 

ツアーは1日3回(回数が少ない日もあるので注意)。5:30~7:15と、9:00~11:30、そして14:00~16:30です。早朝以外は、タウシュベツ川橋梁へ行った後に、第五音更川橋梁と、幌加駅跡の見学もあるので、トータル2時間半ほどのツアーになっています。いずれも参加費はおひとりさま3150円。

 

ツアーの申し込みは電話かメールになります。担当者がツアーに行ってしまっている日中は電話が繋がりにくいらしいので、メールを送ったところ、その日の夕方には受付完了の返信がありました。ガイドセンターのwebサイトをよく読んでメールで申し込むことをおすすめします。

 

 

 ツアーの集合場所は「糠平温泉文化ホール」です。ちょっとわかりにくい場所ですが、ぬかびら温泉郷はこぢんまりとした温泉街なので大きく通り過ぎることはないでしょう。私もちょっと通り過ぎちゃったんですがすぐに戻ってこれましたし(Googleマップを見て「ここ入ればいいのかー」と見当つけていた道が歩行者専用になっていたのが今回の敗因)

 ホールで受付を済ませ代金を支払うと、用意されていた黄色い長靴に履き替え、車に乗ります。27日の午後のツアー参加者は私を含めて11人。ほとんどが内地*1の人でした。集合が早かったので、13:55くらいにはもう出発しました。

こんな車2台でタウシュベツを目指します。

 

10分ほど国道を走ると、林道ゲートに到着。林道ゲートには「ヒグマ出没注意」という張り紙がベッタベタに貼ってあります。ヒグマ出没っていうけど、あの森ってヒグマたちが棲んでるとこだから、むしろヒグマ側が「ヒトが出没したぞ!」って言う側な気が…

ガイドさんの話ではツアー中に熊さんに出会うのは珍しいことではないらしい。今回は残念ながら?見なかったけれど。

 

林道をガタガタ走ること10分。タウシュベツ川橋梁の近くまでやってきました。ここから先は車両が入っていけません。車を降りて歩きます。

流木が転がるぬかるんだ道は、国鉄士幌線旧線の廃線跡です。足元に注意しながら進んでいきます。すると、森が途切れた先に…

(脳内BGM~ジュラシック・パークのテーマソング)

飽きるほど写真で見ていたあのタウシュベツ川橋梁が、目の前にどーんと現れました。

ここでツアーは40分ほどの自由時間になります。様々な角度から橋を眺めてみたり、橋に触ってみたりしました。なお、崩落の危険が高まっているので、橋の上を渡ろうなんてことは絶対にやめてください。

午後は湖側に光が当たります。紅葉した木々と風格ある橋とがマッチして美しいです。

実は、例年であれば秋は橋がほぼ水没している時期です。今年は雨が少なく、また夏の電力消費も多かったということでダムに水がぜんぜん貯まらず、先日の台風以前は橋が下まで完全に見えていたそうです。

タウシュベツ川橋梁と紅葉のコラボレーションという貴重な光景。しっかりと眼に焼き付けてきました。

60年もの間、水と氷によって削られ続けた橋は、かっちりしたコンクリート橋であったとは想像できないくらいにボロボロです。氷で削られないアーチの下の部分だけ、滑らかな肌を残しています。

橋の袂では、剥き出しになった鉄筋や、ボロボロな橋本体に触れることができます。ただし優しく触ってください。蹴飛ばしたらすぐヒビ入るんじゃねぇかなって感じなので。鉄筋が入っているのは外側の殻だけで、中身は石が詰まっています。材料調達を安く早く済ませ、山奥で大量にアーチ橋を建設しなければならなかった事情から生まれたこの工法は、この後に建設された様々なコンクリート橋でも用いられました。ただ、外側の壁が崩れてしまえば中の石は簡単にゴロゴロ崩れてしまうという欠点が、今になって現れています。

東側から少し離れて橋を眺めてみると、橋が傾斜しているのがよくわかります。橋が水没していない時にはわかりづらいですが、この橋は勾配区間にあったのですね。

大きな崩落箇所は、東側に二箇所あります(西側は一箇所)。

 

今後もどんどん崩れていくことが予想されており、完全に繋がった形で見られるのは今年が最後かもしれないと噂されています。

が、去年も一昨年もそんなこと言われていたので、案外あと数年は持つかもしれませんね…崩れてもなおアーチ部分はしっかり残っているのを見ると、アーチ構造の頑丈さがよくわかりますね。

この橋が現役の鉄道橋だった頃は、線路の両側に森が広がっていて、今とは全く違う景色だったそうです。ダムが建設された際に士幌線ダム湖の西側(国道が走っている側)に移設され、旧線はダム湖の底へ沈みました。そしてこの橋も時期によっては水没する場所になったので、周辺には木が無くなり、ダムの水が少ない春には辺り一面に切り株が点在する異様な光景が広がるそうです。

橋がボロボロになったのはダムのせい、しかし独特なロケーションを創り出して橋を魅力あるものにしたのもまたダムなのです。ダムってすげぇなぁ。

 

タウシュベツ川橋梁の見学を終えた一行は、林道を戻り、そこから国道を少しだけ登り、また別のアーチ橋「第五音更川橋梁」を国道上から見下ろしました。

こちらの橋は、ダム湖より上流に位置していて、綺麗な姿を保っています。朽ちていくのに任せているタウシュベツ川橋梁と違い、この橋は保存物なので補修が入っているようです。

 

そしてツアーの最後に、幌加駅跡に行きました。

かつて林業で栄えたという幌加の街は、今では森に還ってしまい面影がなにもありません。駅も放っておくと土砂が流れ込み埋もれてしまうそうで、定期的に掘り返してあげないといけないそうです。

帰り際にちらっと車の中から見た「三の沢橋梁」

こちらはダム建設時に移設された新線(昭和30年開業)の橋なので、これまで見た橋(昭和12~14年開業)と比較すると新しい橋です。なので老朽化もそこまで進行しておらず、上には柵が設けられ自由に歩けるようになっています。

 

かつて林業、そしてダム建設で栄えた糠平。しかし、こんな壮大な橋がいくつも建設されたのは、林業やダムのためだけではありませんでした。もともとは、三国峠を越えて層雲峡・上川へと線路を伸ばす計画だったのです。もしそんな計画が実現していたら、ここは北海道一の観光路線に…なる前に廃線になってただろうなぁどうせ…

 

 ツアーの終わり際、ぬかびら温泉郷の公園建設現場で鹿を発見。

北海道の山道を走る際は、鹿の飛び出しに注意してください。国道でも携帯電話の電波が来ないところが多く、事故って動けなくなったらJAFが来るまで半日はかかるそうです(ツアーガイド談)

 

ツアーはこれで無事終了。予定通り2時間半で帰ってきました。

100週年を迎え、すっかり寂れてしまっているぬかびら温泉郷

一番古い(つまり一番ボロい)こちらの温泉に入りました(日帰り入浴500円)。

混浴露天風呂とか書いてありますが、事実上の男湯ですねーはい。女性専用の露天風呂が別にあるしね。

 

 温泉でゆっくりしているうちにすっかり日が暮れ、私は街路灯の一つもない暗闇のトカチロードを、矢羽根*2を頼りにひたすら走って帯広へ帰りました。

 

今回のアーチ橋めぐりは、こんな感じで非常に充実したものになりました。

ただ、見逃した橋も多く、またタウシュベツ川橋梁の違う表情も見てみたいので、季節を変えて再訪したいと思っています。

 

ツアーだけで満足できない私のような人間ならレンタカーなどを使う必要がありますが、ツアーだけ参加するなら、バスをうまく使ったり、糠平温泉に宿泊するなどして公共交通機関のみでの訪問も可能なので、是非一度は行ってみてほしいです。士幌線は良いぞ。

*1:北海道では主に本州のことを内地と呼ぶ

*2:北海道ではよく見かける、積雪時に見えなくなる道路の外側線の場所を示す下向き矢印型の標識正式名称は「固定式視線誘導柱」らしい。

国鉄士幌線のコンクリートアーチ橋めぐり

皆さん、この橋をご存知ですか?

これは国鉄士幌線の「タウシュベツ川橋梁」です。

11連のアーチが美しく、またダム湖に沈むことから水と氷によってゴリゴリ削られ、崩れそうになっている姿が「まるで古代遺跡のようだ」と評され、とても人気のある橋です。

「来年になったら崩れているかもしれない」と地元の新聞記事になるなどして現在とても人気が高まり、見学ツアーは連日満員に近い盛況となっているこの橋。廃線好きな北海道民として行っておかなきゃなぁと思いつつ、どうせ行く暇なんか無いだろう、暇になった頃には水没しているだろう…と思っていたら今年はどういうわけか秋になっても水没していないということで、遂に行ってきました(2017年9月27日)。

 

 

 

特急スーパーとかち1号で帯広駅に到着後、駅前でレンタカーを借りて、まずは上士幌町を目指し国道241号線を北上します。

延々とこんな風景を見ながら一直線に伸びた道路をひたすら走ること一時間弱、上士幌町に到着。

国道沿いのラーメン屋*1で腹ごしらえをして、ここからは国道273号線で「ぬかびら温泉」のほうを目指していきます。

 

国道273号線に入った後も、直線的な道がしばらく続きますが、ちょっと走ると山道って感じになってきます。今の時期はちょうど紅葉も綺麗だ。

「黒石平覆道」という覆道を抜けてすぐの橋を渡ったところに駐車スペースがあるので、そこに車を停め、橋から下を見下ろすと…

 

国鉄士幌線「第三音更川*2橋梁」です。

30年前の国鉄末期に廃線された路線なのですが、今でも線路を敷けば汽車を走られられそうな雰囲気を保っています。

景観との調和も美しいですね。

なお、橋の上は危険ですので渡ろうとか思っちゃだめですよ、渡ろうとする人なんていないと思いますが…

 

 

 

第三音更川橋梁からもうちょっと進んで、カーブした短いトンネルを潜った後、左手に見えてくるのがこちらの橋。

この橋の名は「第四音更川橋梁」

ここは昭和30年の糠平ダム建設に伴う士幌線の付け替え時に廃線になった区間なので、冒頭で見ていただいたタウシュベツ川橋梁と同時期に廃線となっています。しかしダムより下流に位置していて湖に浸かっていないこの橋は、綺麗な姿を留めており、タウシュベツと同じ年月が経っているとは思えません(というかタウシュベツが痛みすぎなんだよなぁ)。

 川を跨ぐ部分が無くなっていますが、現役時代には、ここに鉄の橋桁が架かっていました。

 

ここは開けた河原があって降りても大丈夫そうだなーってことで、橋のすぐ傍まで行ってみました。

廃線から60年以上が経過し、橋の上に樹木が生い茂るという凄まじい光景を見ることができます。こういうのほんとすき。正直タウシュベツよりこっちのほうが感動しました。ここならタウシュベツと違って国道からでも見えるところなので、素通りしないで立ち寄っていただきたい素晴らしい橋です。

 

第四音更川橋梁からちょっと行くと、もう糠平ダムに着きます。

湖面からすぐのところに木が生えていないあたりが、あからさまにダム湖って感じがして良いですねー。

糠平ダムは電源開発が所有する水力発電用ダムです。

ダム堤体の上を通る道路は通行止めになっていました。

 

なお、ここからでもタウシュベツ川橋梁を望むことができます。が…

いやいや遠い遠い。全然感動が伝わらないよこれ!

ここからバズーカみたいな望遠レンズを橋に向けている人も居ましたが、もっと上流のタウシュベツ展望台から見たほうが良いと思います。ま、私はもっともっと橋に近寄った、というか橋に触ってきちゃったんですけどねー!!!

 

てなわけで、ここから先は、NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンターさんの「旧国鉄士幌線アーチ橋見学ツアー」に参加して、タウシュベツ川橋梁の間近まで行ってきました。このツアーの様子は、次の記事で詳しく書いていきます。

 

つづく

 

*1:

Google マップ

*2:おとふけがわ。国鉄士幌線音更川に沿うように敷かれていた